スーパーに現れた新生物との攻防!撮影手法も明らかに『動物界』本編映像
2023年度セザール賞最多12部門にノミネートの話題作『動物界』より本編映像が解禁された。 【写真】CGに頼り過ぎない、アナログな撮影手法とは? 本作は、人間が動物に変異する奇病が蔓延する近未来を舞台にしたアニマライズ・スリラー。主人公のフランソワ役を演じるのは、セザール賞主演男優賞に5度ノミネートされたロマン・デュリス。監督・脚本を務めたのはデビュー作で数々の賞を受賞した新鋭、トマ・カイエ。 この度解禁されたのは、動物に変死した“新生物”が人間から逃亡する姿を映した本編映像。 輸送中の事故により失踪した妻・ラナを探すフランソワ(ロマン・デュリス)と、事故がきっかけでフランソワに協力することになった憲兵隊のジュリア(アデル・エグザルコプロス)。ふたりが居合わせたスーパーマーケットで、「新生物がでた」という騒ぎが起きる。 その新生物こそラナではないかとフランソワは期待するが、鮮魚売り場で顔を見せたのは、顔の半分は人間、もう片方はタコのような“新生物”。緊迫した睨み合いのあと、隙をついて逃げだす新生物をジュリアが追いかける! タコのような新生物は、腕が滑らかに動く様がとてもリアルに仕上がっているが、監督はこの新生物のアイディアについて「もともとタコと人間をハイブリッドしたキャラクターを脚本にも描いていたのだけど、偶然目にしたダンサーの動画を参考に動きをイメージしていったんだ。爪を見せない動きを何年間も訓練した人で、しなやかで滑らかな動きがまるで軟体動物のようだった。実際に会って、一緒に作業をしながらタコ人間を作っていった」と明かしている。 さらにリアルな腕の動きの秘密について、「初めのうちは人工関節を使っていたんだけど、途中からアニマトロニクスで腕を作ることにしたんだ。でも実際に物を投げているのはスタッフたちさ。手作りのものから高度なテクノロジーまで総動員して、幅広い手法を用いて撮影するのが面白かった」と工夫を重ねた撮影をふり返っている。 高度なデジタル技術だけに頼ることなく、リアリティを追求しようとする姿勢から監督の本作に懸ける想いが垣間見える。 『動物界』は11月8日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。
シネマカフェ シネマカフェ編集部