SUBARU恵比寿ショールームでスバルとマツダのS耐マシンを合同展示、なぜスバルのショールームに?
SUBARUのショールームに他メーカーの車両が展示されるのは初めて
2025年1月14日、東京・恵比寿にあるSUBARU恵比寿シ ョールーム「スバルスタースクエア」で、スーパー耐久シリーズ(S耐)ST-Qクラスに参戦するスバルとマツダのレースカーの合同展示がスタート。一般公開を前に、メディア向けにスペシャルトークショーを開催した。スバルとマツダのレースカーの合同展示は19日まで行われ、最終日にはスーパー耐久シリーズST-Qクラスに参戦するドライバーが参加するトークショーも行われる。 【写真はこちら】メーカーの垣根を越えて、未来のカーボンニュートラル社会に向かって共に挑む(全8枚) 今回、SUBARU恵比寿ショールーム「スバルスタースクエア」に特別展示されるのは、スバルの「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」と、マツダの「MAZDA3 Bio concept」の3台。スバルのショールームに他メーカーの車両が展示されるのは初めてのこと。 これはスーパー耐久シリーズで、「共挑~S耐ワイガヤクラブ~」としてST-Qクラスに参戦する国内メーカー5社がともに戦いながら横のつながりを築いていることから実現したもので、とくにスバルとマツダは2024年より、スバルの航空宇宙カンパニーで航空機製造の際に発生してしまう端材を利用したカーボン部品の開発を行っており、今回特別展示されている3台のにはその再生カーボンパーツが使われている。 レースカー モータースポーツを通して、互いに絆を深め合い、讃え合い、腕を磨き、技術を向上させることを基本理念とする「スーパー耐久シリーズ」の中でも、既存のクラスに属さない車両が集まる「ST-Qクラス」では、限りある資源を大切に使い、環境に配慮しながら社会の発展につなげていくという思想の下、メーカーが自身の技術を磨きながら、メーカーの垣根を越えて、未来のカーボンニュートラル社会に向かって共に挑んでいる。
モータースポーツ参戦を通して次世代技術開発を推進
今回のトークショーには、スバルからSUBARU Team SDA Engineering本井雅人代表、航空宇宙カンパニー基盤技術部の関根尚之氏、マツダからMAZDA SPIRIT RACING前田育男代表、ブランド体験推進本部の上杉康範氏が参加したが、「テストコースで開発試験を行うのと、ライバルと競い合って走行するのとは全然違う」「(勝ち負けを重視しているわけではないが)ドライバーやエンジニアも、ライバルに負けるとやはり悔しい」「レースの意義は大きい」とお互いに語り合っていたのが印象的だった。 また参加型レースらしく、どちらのメーカーもレースの現場に、社内のエンジニアやディーラーのメカニック、社員ドライバーを送り込んでいるが、「フリー走行、予選、決勝とレーススケジュールを追うごとに彼らの表情が変わり、どんどん成長していくのが感じられる」とメーカーとしてレースに参加する意味を説明する。 スバルとマツダはスーパー耐久シリーズ参戦を通して、互いに高めあいながら、カーボンニュートラルカーボンニュートラル燃料の環境対応と高性能化への可能性、サスティナブルな社会の実現に取り組んでいるのだ。 そんな中で、トークショーのひとつのテーマとなったのが、やはり高品質な航空機用カーボンの端材を利用した再生カーボンのこと。スバルの航空機製造の際に発生してしまう端材を利用した再生カーボンをマツダでも使うことになったきっかけは、「ワイガヤクラブ」での会話の中で、「カーボン材料ありますけど使えませんか?」「それ使っていいですか?」と話が進んだのだという。