「顔中血だらけ」スーパーで女子高生ら3人射殺 八王子スーパー強盗殺人 警視庁150年 99/150
地下鉄サリン事件や警察庁長官狙撃事件など世間を揺るがす凶行が相次いだ平成7年。7月最後の日曜日には、閉店直後だった東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」で、アルバイトの女子高校生ら3人が頭を銃で撃たれるなどして殺害された。事件は未解決のまま29年が経過している。 「3人は顔中血だらけで倒れていた。何秒も見ていられなかった」。当時、第一発見者は本紙の取材にこう語っていた。 事件は7月30日午後9時15分ごろ、同店2階事務所で発生。パート従業員の稲垣則子さん=当時(47)、ともに高校2年だった矢吹恵さん=同(17)=と前田寛美さん=同(16)=が粘着テープで手を縛られるなどして射殺され、事務所の金庫を開けようとした痕跡もあった。 警視庁は強盗殺人事件として八王子署に捜査本部を設置。事務所は人の出入りが多く、残された粘着テープや足跡からの犯人の特定は難航する。銃弾の傷痕「線条痕」から、拳銃はフィリピン製の38口径回転式銃「スカイヤーズビンガム」と判明し、捜査員がフィリピンに渡航するも販路の特定に至らなかった。 その後も、実行犯を知っているとされた中国籍の男を旅券法違反容疑で逮捕したり、女子高生らを縛っていた粘着テープに付着していた指紋と酷似する指紋の男性が浮上したりするも、決定打にはならなかった。 発生時は15年だった強盗殺人事件の公訴時効は撤廃され、現在も捜査は続く。情報提供は八王子署捜査本部(042・621・0110)まで。(前島沙紀)