ヘッジファンドのシタデル、競業避止義務を21カ月に延長-人材保持へ
(ブルームバーグ): 資産家ケン・グリフィン氏率いる米ヘッジファンド運営会社シタデルは、一部のポートフォリオマネジャーを対象に競業避止義務の期間を21カ月に延長した。マルチ戦略ヘッジファンドの間で人材争奪戦が激しいことを浮き彫りにしている。
シタデルの競業避止義務は2020年には平均1年だった。ただ、一部のマネジャーは繰り延べ報酬を得るために最長で18カ月は動けなかった。雇用慣行に詳しい複数の関係者によれば、競合他社の方針は12カ月に近く、シタデルの今回の延長はそれよりも長いことになる。
シタデルの広報担当者はコメントを控えた。
マルチ戦略ファンドの人材獲得競争は激しく、こうした企業における投資担当の人員数は昨年6月30日までの1年間に13%増加したと、ゴールドマン・サックス・グループは最近のリポートに記した。企業は高い能力を要する職務を埋めようと、互いに人材を引き抜き合っている。
いったん、こうした人員が入社した後は、企業は競業避止義務やボーナス回収などの戦術を駆使して、職務にとどまらせようと努める。
米連邦取引委員会(FTC)は昨年、ウォール街の競業避止義務条項に制約を課した。ただし、「ガーデンリーブ(自宅待機)」は例外とした。強制的なガーデニング休暇中も会社が離職者に通常の給料を支払い続ける限り、それは競業避止義務条項とは見なされない。
原題:Citadel Extends Non-Compete to 21 Months to Retain Talent(抜粋)
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Katherine Burton