ヒットメーカー佐久間宣行さんにとっての最大の失敗体験とは? 「周囲には気づかれていませんが」
失敗した時でも大切なのはその後の向き合い方
『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』(ダイヤモンド社)を刊行したフリーのテレビプロデューサー、ラジオパーソナリティとして活躍する佐久間宣行さん(48)。テレビ、Netflix、ラジオ、YouTube、著作など、多岐にわたるメディアで成功を収めている「失敗しないプロデューサー」のイメージが強いが、そんな佐久間さんにも失敗の経験はあるのだろうか。(取材・文=平辻哲也) 【写真】「本人にしか見えない」「激似w」と話題…佐久間宣行氏が出会ったR-指定そっくりな会社経営者 テレビ東京の『あちこちオードリー』『ゴッドタン』や、チャンネル登録者数232万人を超えるYouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』、Netflixの『トークサバイバー!』、さらには20万部を売り上げた著書『佐久間宣行のずるい仕事術』と、ジャンルを超えて次々とヒットを生み出している佐久間さん。しかし、これまでに失敗もあったと明かす。 「問題にはならなかった失敗はたくさんあります。どれを最大の失敗とするかは分からないけど、『もう無理だ』と思った経験もあります。自分でコントロールできなかった時期もありましたし、その都度、その失敗から何かを持ち帰ろうとしてきました。このジャンルでの知見を得たから良しとしよう、みたいな感じです」 失敗した時でも大切なのは、その後の向き合い方、立ち直り方だと考えている。 「失敗の仕方や、そこからの立ち直り方で、むしろ人はそこを見ていると思います。だから、素直に負けを認めて、ダメな時はダメだと言うことが大事。失敗の仕方も少しずつ上手くなっている気がします。例えば、24時間テレビの裏でやった『ゴッドタン』の3時間スペシャルの視聴率はひどかったですが、それを最大の失敗だとは思っていません」 むしろ、最大の失敗はあまり気づかれていないところにあるという。 「僕としては、すごくいい企画だと思っていた番組があって、何度も続けられるはずだったんです。でも、出演者の芸人さんたちがあまり乗り気でなかったことを後で知り、企画を取りやめたことがあります。周囲には気づかれていませんが、僕の中では大きな失敗でした。人を活かすディレクターでありたいと思っていたのに、面白さを追求した結果、出演者が楽しめない番組になってしまった。これは失敗です」 『ゴッドタン』はギリギリを攻めた企画も多いが、芸人たちもそのギリギリを楽しんでいるという。 「僕の番組を通じて知名度が上がり、売れるきっかけになることも多い。それができなかったり、負荷ばかりかけるのはよくないんです。だから、そういう企画は一度下げました。ただ、今ならもう一度やれるチャンスはあると思っています」