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　「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か？ 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、森氏と強い信頼で結ばれている幼稚園時代からの旧友であり、本書では「マネジメント能力に圧倒された」と語られるマーケッターである、FIDIA役員の西俊彦氏。FIDIA（当時の社名はSuprieve Holdings）への入社以来、初動3年間で32億円以上の売上を達成した人物だ。その業績は、2018年amazon年間カテゴリーランキング1位獲得をはじめ、2019年楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー獲得、2021年楽天ショップオブ・ザ・エリア、amazon売れ筋15ブランド獲得など数多く、社外でも多くのEC/D2C運営企業のコンサルタントを務めている。そんな西氏に、月収が3分の1になっても入社した理由を伺った（ダイヤモンド社書籍編集局）。 ●　約30回も勧誘され、断り続けた6年間 　――西さんが転職した経緯を教えてもらえますか？ 　西俊彦（以下、西）：もともと森と僕は、幼小中高からNSC（吉本総合芸能学院）まで一緒に行った友人なんです。 　僕はNSCの卒業から4年ぐらいオーディションに行き、そのあと普通に就職しました。森も最初は就職して、その2年後ぐらいにわくわくエッサ（現FIDIA）を設立した。 会社をつくった当時から、「西も一緒にやろう」と誘われていました。 僕は友達と起業するのは嫌だったので断りましたが、それから30回ぐらいは誘われました。 　――30回というと、どういうタイミングで勧誘されていたのですか？ 　西：森とは普段から遊んだり旅行に行ったりしていたので、そのたびに誘われるんです。 ただ何度誘われても、僕はずっと「絶対行かん！」と拒否していたんです。 誘われ続けて断り続ける状態が、6年ぐらい続いたんです。 ●　月収が3分の1になっても転職！ その理由とは？ 　――入社のきっかけは何だったのでしょうか？ 　西：EC事業部（現・イルミルド株式会社）の設立でした。 森から、「新しい事業をやるから、立ち上げメンバーに入ってほしい」と誘われたんです。 言うだけではなくて、森はこのEC事業部の事業計画を、今までにないほどしっかりつくり込んできたんですね。 それを見て、森の本気度が伝わった。 今回はこれまでとは違うなと、僕も思えた。 それでようやく真面目に話を聞いて、話し合いました。 　―――加入する条件は、どんなものだったのでしょう？ 　西：「この会社の常務としてきてほしい」と言われました。 当時のFIDIAはいろんな事業があって、それなりに規模が大きかったんです。その常務というのは魅力的でした。 ただ、それ以外の条件は結構厳しかった。 当時の僕は月収が50万円くらいだったのですが、「月に20万で」と頼まれたんです。僕からしたら、月収が3分の1くらいに減ってしまう話だった。 でも結局は、ここで新しくチャレンジしようと決めました。 6年ずっと断り続けたにもかかわらず、新しい事業の常務にと誘ってくれた、その森の熱意に負けた形ですね。 　ただ加入前はその条件で話していたのですが、入社してみたら僕のポジションは、常務じゃなく、主任でした。 びっくりですよね。「ダマされた！」と思いました（笑）。 森はまったく悪気がなく、「そんなん言ってたっけ？」という感じだったのもまた驚きまして。 本当に、世の中、そんな甘い話はないなと思いましたよ（笑）。 ●　加入後に今まで以上の努力ができたワケ 　――月収が3分の1に減ることに、怖さはなかったのでしょうか？ 　西：怖いというか、僕としてはまさに「背水の陣」という感覚でした。 主任でもなんでも、とにかくやるしかない。自分が実績を残さないといけない。 でなければ、自分の人生も終わるという気がしたんです。 それで、覚悟が決まった。 自分にスイッチが入った感じでした。 　そのおかげで、今まで以上に頑張れたし、ひたすら努力を重ねることができた。 だから、あのとき僕は、仕事に対して本気になるきっかけをつくってもらったと思っています。 　努力を重ねた結果、加入時は前職の3分の1だった月収は、数年後には前職をはるかに超えましたから。 本当に、信じてやってきてよかったと思っています。 　『スタートアップ芸人』では、このようなエピソードが多数紹介されていますので、挑戦しようか迷っている人に参考になると思います。