このまま人口減少が進んだら?ハンバーガー店がなくなる自治体はいくつある
総務省が10月発表した平成27年国勢調査確定値で、大正9(1920)年の調査開始以来、初の減少に転じた日本の総人口。厚生労働省がまとめた人口動態統計の年間推計でも2016年に生まれた子どもの数が1899(明治32)年の統計開始以来、初めて100万人を割り、98万1000人にとどまる見通しであることも明らかになりました。 このまま人口減少が進むことでとりわけ深刻とされるのが、日常生活の多様なサービス業が現水準で維持されなくなるということです。では、どのようなサービスが、どれくらいの自治体で受けられなくなると推計されているのでしょうか。内閣府がまとめた「地域の経済2016―人口減少問題の克服―」からみていきます。
経済サービスには人口集積が重要だが…
経済活動にとって人口集積は重要です。サービス業はある程度の顧客数が見込める場所でなければ出店を維持できません。国土交通省は3大都市圏を除く市町村を前提とした、サービス別に必要となる需要規模を計算。生活に必要となる飲食料品の小売店、飲食店、郵便局、一般診療所等は大体500人集まれば80%の確率で立地が可能であるとしています。介護老人福祉施設の場合は、500人の需要で50%が立地可能な確率、80%には4500人が必要です。百貨店などの大型商業施設は同じように80%の確率で立地可能となるには、約27万5000人の需要規模・人口規模が必要となります。
2010年と2040年後の施設立地可能性を自治体数で比較
では人口減少が進行し、それらの需要見込みが得られなくなるとどのようになると推計されているのでしょうか。 国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の人口は2010年の1億2805万7000人から、30年後の2040年には1億727万6000人まで、約2100万人減少すると推計しています(日本の地域別将来推計人口=平成25年3月推計)。その数値を元に、内閣府は、2010年時点では店舗が立地できる確率50%以上となっている1229自治体のうち、2040年の人口規模になると、その確率が50%を切ってしまう市町村の割合を求めました(3大都市圏を除く)。