「やっと完全な無罪が実った」 袴田さん確定後、公の場で初発言
1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)は14日、静岡市で開かれた集会に参加し「長い闘いがあったが、私もやっと完全な無罪が実りました」とあいさつした。9日の無罪確定後、公の場で発言するのは初めて。 集会で、主任弁護人の小川秀世氏が再審判決の内容や無罪確定までの経緯を報告。その途中、「チャンピオンの入場です」とボクシング試合に模したアナウンスと音楽が流れ、車椅子に乗った袴田さんが会場入りし、大きな拍手で迎えられた。 壇上のいすに腰かけ、両手でマイクを握ってあいさつ。その中で「闘い」という言葉を繰り返した。同席した姉ひで子さん(91)に「皆さんにありがとうと言いな」と促されたが、話すことをやめてマイクをひで子さんに渡した。 ひで子さんは「今日は富士山を見に行こうと言い連れてきた」と明かし、「『無罪になって勝ったよ』と言っているが、まだ半信半疑でいるようなところがある。こうした盛大なお祝いで、巌も実感として湧くと思う」と集まった人たちに感謝を伝えた。