右手でポップス、左手でクラシックを即興演奏 ピアニスターHIROSHIとは?
クラシックの殿堂でのソロ・リサイタルは20回目 エンターテインメント性の強いステージで魅了
在学中から、クラシックはじめ演歌まで幅広いジャンルを弾くピアニストとして活動を開始。1999年7月以降、クラシックの殿堂・東京文化会館大ホールで毎年、ソロ・リサイタル「UENOの森のHIROSHI」を開催し、今月23日には記念すべき第20回を迎えるという。 「この会場はバレエやオペラが上演される会場だと思っていたんです。『一生に一回ぐらい立ちたいかな』と思っていましたが、30代後半ごろにチャンスをいただいちゃいましたんで、アタフタしました。それが20回にもなると、ある意味、手馴れてはきました。ただ、プログラムは毎年変えていますので、私にとりましては毎度、大変なんですけども」 今後も、エンターテインメント性の強いステージで楽しませたいという。 「私の今を決定づけたのは、チャップリンの映画『ライムライト』のラストシーンなんです。ピアニスト役のバスター・キートンと、ヴァイオリニスト役のチャップリンが2人で道化るんですけど、それがヒントになったんです。これまで考えていた音楽の冗談というものをショーにしちゃえばいいんだっていう。チャップリンの映画は、最初から最後まで面白いだけじゃなく、やっぱり泣かせますからね。おこがましいようですけど、ピアノでチャップリンみたいな世界が届けられたらいいかなって。関西弁で『おもろうて、やがて哀し』……ミヤコ蝶々さんが著書にその題を付けてらしたんですよ。それが、すごい印象に残ってまして……」 今年初めて発表するオリジナル曲もあれば、ショパンなどの本格的な作品も弾くというから楽しみだ。 (取材・文・撮影:志和浩司)