焼津だけど年末の人気はカニ!? 魚センター正月の買い出し客で賑わう
鮮魚店や乾物店など約60店舗がひしめく静岡県焼津市の焼津魚センターが、正月の買い出し客などで今年も例年並みの賑いを見せている。焼津といえばマグロやカツオの街として知られるが、魚センターで人気なのはカニだとか。
1985年10月にオープンした焼津魚センター。魚離れがニュースになり、水産業界を取り巻く環境に厳しさが増していた当時、危機感を抱く地元水産業者と自治体が知恵を出しあって全国に先駆けて開業した施設だ。運営する株式会社焼津水産振興センターは市が半分を出資する第三セクター。「営業スタイルはオーブン時も今も基本、変わりません」と同社課長の竹本廣志さんは話す。
約2.6ヘクタールの敷地に約60店舗が軒を並べ「いらっしゅい、いらっしゃい」の声が飛ぶ。通路には正月の食材などを求める買い物客が溢れ、なかなか前に進めない状況だ。ひときわ山だかりが出来ているマグロ専門店では、台の上に並べられたマグロの塊を前に客と店主が大きな声でやりとりして熱気が渦巻いている。「価格は数千円から数万円まで様々。5000円前後がよく出るね。中には20万、30万円も買っていくお客さんもいるよ」と店主。
マグロのほかにも、サバ、アジ、ホッケ、サケ、サクラエビ、カキ、さらにイカの塩辛やイクラ、干物などを扱う店も。 実は焼津魚センターで人気なのはカニなのだそうで、1年を通してカニが安いのだそう。カニを扱っている店舗は多く、店頭には北海道産、ロシア、アラスカなどと記されたカニが数多く並んでいる。
山梨から来たという男性は「地元ではななかなか美味しい魚が手に入らないので、毎年、年末に買いにきます」と話していた。また、年配の女性は「朝7時に豊橋を出てきました。ツアーできてマグロのカマを煮たのが美味しくて、以来、年末などにきています。今日はカマの煮たのと正月用にマグロの刺身を買いました」と満足げだった。 焼津魚センターの年内の営業は31日まで。年明けは1月2日から。営業時間は午前9時~午後5時。