「サンドウィッチマンの活躍を見て『僕は座るところがない』と思った」ーーお笑い芸人が「日本一のごみ清掃員」になって見た“世界”
「THE SECOND ~漫才トーナメント~2023」で準優勝を果たしたお笑いコンビ・マシンガンズ。コンビを結成してから25年後の栄光でした。ゴミの専門家として活躍する滝沢秀一さん、そして役者として多数ドラマに出演する西堀亮さん。芸人として脚光を浴びるまでの道のりは長かったものの、「『這いあがろう』なんていう気はない」という2人。 副業としてゴミ清掃員の仕事を始め、いまや専門家として引っ張りだこの滝沢さんが、なぜ「ゴミの道を極めよう」と思ったのかを語ります。本稿は、『もう諦めた でも辞めない』より一部抜粋・編集のうえ、お届けします。 【画像】「ゴミ山で眠る女性」が“家中のモノ”を捨てた結果
■サンドウィッチマンを見て「僕は座るところがない」 ある時『アメトーーク!』を見ていたら、サンドウィッチマンが出ていたんですけど、司会者の位置から遠い席に座っていたんですよ。2列目の後ろのほうで、周りもすごいメンバーばかり。『M-1』チャンピオンでもあそこなら、何者でもない僕は「座るところがないな」と思ったんです。 そこで改めて、「これはやっぱり俺は無理そうだ」って。サンドウィッチマンとはそれほど接点はなかったんですけど、大体同期なんです。トップで頑張っているサンドがあの位置なのか……って、愕然としました。
「売れてバラエティで活躍するなんてことは今後ないな」と思いながらゴミ清掃をやり続けるのは、なかなかに苦痛なわけで。お笑いの希望もない、やりたい仕事でもないっていう。もう、心を保つのが大変なんです。 そこで、今やっていることに集中するしかないと思ったんですよね。自分が今やっている目の前のことって何だろうと考えたら、それはゴミ清掃。サンドウィッチマンが『M-1』で日本一の漫才師になったんなら、じゃあ僕はもう、日本一のゴミ清掃員になろうかなって。意識の変革ですが、そう考えないとツラくて生きていけなかったです。
別に大会があるわけでもないから、「日本一のゴミ清掃員ってなんだ?」というところから始めましたが、そこからゴミの見え方が変わってきて、仕事に取り組む姿勢も変わったんですよね。分別してないものを見て腹を立てるって、日本一のゴミ清掃員じゃないなと思って。 分別していないのは、わざとなのか、ルールを知らないからなのか。それも、だんだん分かるようになってきて。ペットボトルにシャンプーの空き容器が入っていたとして、これはリサイクルする気が最初からないのか、それとも知識がないだけなのか。リサイクルする気がない人に何かを言っても、無理なんです。だけど、知らないだけなら、教えてあげたらルール通りにやってくれる可能性がある。