軽トラを警察車両に、災害向け配備 悪路の運搬に、能登地震が契機
全国の警察に今年度、警察庁が軽トラックを警察車両として初めて導入する。能登半島地震をきっかけに、悪路などでの走行が可能な軽トラに着目。警察庁は2025年の初めごろから、災害で孤立の恐れがある半島を抱える地域を重点的に計61台を配備する。 【写真】災害ごみの仮置き場の前で、列をつくる軽トラック=2020年7月8日、熊本県芦北町湯浦、大山稜撮影 導入される軽トラは荷台がついた四輪駆動のもので、色は白やシルバー。パトカーのように白と黒の塗装はしないが、必要に応じて警察車両だとわかるように、都道府県警が「○○県警」と文字を入れるなどする。 1月の能登半島地震では、半島内の道路が一部で寸断されるなどして、警察官や資機材が被災地へ入るのに時間がかかった。全国の警察車両の多くは警察庁が国費で配備しており、震災後、悪路に強い車両の導入が検討されていた。 ■孤立の恐れのある半島、7県には3台ずつ配備 軽トラは悪路や狭い道での走行のしやすさだけでなく、安価な上に、災害時の発電機や非常食などの資機材の運搬にも便利だ。災害時だけでなく、放置自転車や動物の運搬での活用も見込んでおり、警察庁は「軽トラの導入で活動の幅は広がる」と期待する。 災害で孤立する恐れのある半島がある青森、千葉、静岡、石川、和歌山、大分、鹿児島の7県には3台、そのほかの都道府県には1台ずつ配備する。また、今年度中に軽ワゴン車も計150台、全国に導入する。うち23台は四輪駆動で、雪が積もる東北地方や北陸地方などへ配備する。(板倉大地)
朝日新聞社