2年後のFA権行使を見据えた「ヒリヒリする9月を過ごしたい」に込められた思い【大谷翔平「二刀流の血脈」自信と気質とアタマ編】#7
【大谷翔平「二刀流の血脈」自信と気質とアタマ編】#7 華々しい活躍で世界を沸かすドジャース大谷翔平(29)。 【全米が驚愕!】大谷、はち切れんばかりに「パンパン」になった短パン! 日刊ゲンダイが過去に連載した「秘話 大谷翔平『二刀流の血脈』」を、大谷の自信、気質、アタマの3点に焦点を当てて再編し、その軌跡を紐解いていく。(第6回からつづく) ◇ ◇ ◇ 人に負けたくないという強い気持ち、身体能力に支えられた自信、能力を生かすための環境を選べるアタマ……それらがあるからこそメジャーでも大成したが、そんな大谷をもってしてもまだ成し遂げていないのがチームの世界一だ。 12年夏、韓国で行われた世界大会に出場したU18日本代表はそうそうたるメンバーがそろっていたにもかかわらず、結果は6位。日本ハム時代の16年にリーグ優勝、日本一にもなっているものの、翌年のWBCはケガで出場を辞退。世界一を狙う場にすら立てなかった。 そして17年オフ、エンゼルスに移籍。最優秀監督賞2回のマイク・ソーシア、同3回のジョー・マドンという名将のもとでプレーするも、チームはふるわない。過去6年はすべて負け越し。ワールドシリーズ制覇どころか、プレーオフにすら進めない状況が続いている。 早々とプレーオフ争いから脱落した21年の本拠地最終戦。大谷は「2番・投手」で出場して7回1失点と好投するも、チームは敗戦。降板後はダッグアウトでバットを叩きつけた。試合後の会見では、2年後にFA権を取得するがエンゼルスに残りたいかと聞かれ、こう答えている。 「ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好き。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強い。プレーヤーとしてはそれの方が正しいんじゃないかと思う。もっともっと楽しいというか、ヒリヒリする9月を過ごしたい」 この年は投げて9勝、打って46本塁打。二刀流で結果を残し、ア・リーグMVPを満票で獲得した。自身は投打にフル回転するも、チームは負け越し。プレーオフにすら進めない現状に怒りが爆発、移籍志願とも受け取れる発言につながったとみるべきだ。(つづく) ◇ ◇ ◇ ●関連記事【続きを読む】…では、アタマの中身も米国人仕様になった大谷の現在地、そして今後の展望について詳しく報じている。