「寝具にもSDGsが必要かも」快眠コンシェルジュ・ヨシダヨウコさん
「最近は大きな災害や事故があり、ココロ穏やかな気持ちでいられないかもしれませんが、まずは自分が揺らいでは何もできませんから、よく寝てしっかり動ける人になって、できる範囲の事をしていこう!それが今年最初の私の誓いでした」と話すのは、ネムリノチカラ代表・快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさん。今回は、「寝具にもSDGsが必要かも」というお話をしてくれた。 「このように寒さの厳しい時季に避難される時はまず、防寒が必要になりますよね。避難所には十分な寝具や防寒用品があるとは限りませんから、日頃から持ち出せるものはやはり準備しておくことが本当に必要だとあらためて感じました。 またそれと同時に、とっさの時に持ち出せるように、普段からある程度家の中のものを必要なのか不要なのか、使えそうならメンテナンスしておくものはないのかを見極めることも必要だと感じました」 特に後回しになるのが「寝具類」だ。 「掛け布団、敷布団、毛布や枕、シーツ、カバー類などいろいろありますが、古くなったものや使っていないものは処分することを検討してもいいと思います。 またメンテナンスして使える物として、掛け布団、敷布団それも昔ながらの真綿のものなどは、「打ち直し」をすることで新品のようになることをご存じでしょうか?」
寝具にも寿命はあります
「私は実家が布団屋だったこともあり、小さい時からいろいろな布団がわりと周りにたくさんありました。時には打ち直しの工場に行って遊び回っていたこともあります。その時の匂いや風景などは今も思い出せるくらい、ちょっと懐かしい場所でもあります。 昔は当然のように、どの家でも布団の汚れや綿のへたり具合で打ち直しを依頼していましたが、今の布団は真綿ではなく化繊がメインとなり、値段も安くなったことから使い捨てがほとんどとなっていますよね」 特に嫁入り道具の寝具でもない限り(それすらないこともあるが)、手入れして使うことはかなり減ってきている。 「しかしながら、打ち直しの際に防ダニや抗ウィルス加工を施し、クリーニングを行い、さらに新しい綿なども足して、新しい気に入った生地で仕立て直ししたら、それはもうすでに新しい布団として見違えるものに変身します。これも立派なSDGs ! 押入れで出番のない布団をメンテナンスして即一軍にしておくだけで、不意のお客様用としても災害時の持ち出し用としても、もちろん普段使いの自分の布団としても使えます」 同じように羽毛布団も、偏ってしまった、シミ、汚れ、ゴミやダニが気になる、買った当時のフワフワ感がない場合はリフォームをしてくれるところがあるそう。 「専門工場でのクリーニングでは、個別に洗うため、他の人の羽毛布団と混じることはないそうですから、その点も安心ですよね。 長く使いたいものであれば、尚更このようなメンテナンスをするだけで、グンと寝心地に差が出て何より睡眠の質も上がり、眠ることが楽しくなるはずです。 どうぞ押入れに入れたお布団たちも、一度、外に出して点検してみてくださいね」 【話してくれたのは】 ヨシダヨウコさん ネムリノチカラ代表。快眠コンシェルジュ。日本睡眠学会正会員。寝具店の娘として生まれ、心地よい睡眠を幼児期より体験するが、社会人になりたての頃、働きすぎで体調を崩す。また、実母の介護生活からも睡眠の重要性を再認識する。漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想、ストレッチなどを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っている。著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)がある