「キングオブコント」に出るためにコンビを組んだラブレターズが初の決勝から13年かけて優勝を掴むまで
10月12日に開催された「キングオブコント2024」(TBS系)で優勝し、第17代王者となったラブレターズ。第1回「キングオブコント」への記念受験がきっかけで芸人を本気で志した2人が初の決勝進出から13年という年月を経て、学生服コントのイメージから脱却し哀愁漂う中年夫婦のコント(と、坊主女性&外国人男性のコント)で優勝を掴むまでを振り返る。 【写真】2014年1月のライブより、学生服のコントを披露するラブレターズ お笑いナタリー編集部 ■ 日芸の先輩後輩でコンビ結成 ・日本大学芸術学部在学中に出会った塚本直毅と溜口佑太朗。同い年だが、1浪して入学した塚本が後輩、溜口が先輩だった。塚本は放送作家、溜口は役者の勉強をしていた。 ・2008年、初開催された「キングオブコント」に“記念受験”するため「ラブレターズ」と命名して出場。序盤、予想以上にウケたことに驚いた溜口がセリフを飛ばしてしまい、塚本の頭を叩いてネタを強制終了、1回戦で敗退した。 ・「キングオブコント2008」予選で見たバナナマンの舞台に衝撃を受け、正式にコンビ結成。 ・2011年3月に初単独ライブの開催を予定していたものの、東日本大震災の影響で中止に。7月に振替公演を行った。 ・2011年4月に現在の事務所・ASH&Dコーポレーションの所属になる。 ■ 結成3年目で初決勝、テレビやラジオにも抜擢 ・2011年8月、「キングオブコント」で自身初の決勝進出を果たす。結成3年半で26歳というキャリアは同大会ファイナリストの中で最若手&最年少だった。学生服姿のコント「西岡中学校」と「追試」を披露し、7位に。ほかの決勝出場者はインパルス、鬼ヶ島、TKO、トップリード、2700、モンスターエンジン、ロバート。 ・「キングオブコント2011」決勝後、9月30日放送の「バナナマンのバナナムーンGOLD」(TBSラジオ)でバナナマンと初対面。バナナマンの2人は塚本の顔面に着目した。 ・2012年8月、ニッポン放送「お笑いオールスターウィーク」の一環で「オールナイトニッポン0(ZERO)」を初担当。「リスナーを育てる」という溜口のカリスマキャラが誕生する。 ・2012年10月から2013年3月まで放送されたフジテレビ「ロケットライブ」から、ニューヨークらと共に「バチバチエレキテる」メンバーに選ばれる。2013年4月から9月まで放送された。 ・2014年4月に「ラブレターズのオールナイトニッポン0」のレギュラー放送がスタート。「#カリスマラジオ」で知られる。初回では塚本が思いを寄せている女性に公開告白し、成功した。このお相手は、のちの妻。黒タンクトップ姿の溜口が「ピューイ! ピューイ!」という擬音を操る「アカペライントロクイズ」が人気に。2015年3月まで放送された。 ・「キングオブコント2014」で2度目の決勝進出。1stステージにて7対94で犬の心に敗退した。このときの優勝はシソンヌ。 ・「キングオブコント2016」で3度目の決勝進出。結果は10位だった。 ・2017年4月、「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)に出演。企画名は「お腹の緊急事態に備える!お尻を拭きやすい葉っぱ図鑑」。 ■ なかなか実を結ばない7年間 ・「キングオブコント2017」で準々決勝敗退。2021年まで準決勝の壁に阻まれる。 ・「歌ネタ王決定戦2017」(MBS)に同じ事務所のザ・ギース、阿佐ヶ谷姉妹、みさわ大福と共にユニット・ASH&Dコーポレーションとして出場し、決勝進出。結果は8位。 ・2017年10月に企画、演出、出演すべてを溜口が担うソロライブ「溜口スーパーディナーショー」初開催。歌、踊り、芝居、トム・クルーズのモノマネなど盛りだくさんの内容で好評を博し、シリーズ化する。 ・2021年、「M-1グランプリ」に挑戦。2回戦敗退。 ・「歌ネタ王決定戦2021 FINAL」決勝に敗者復活戦から出場。結果は8位。 ■ 学生服コントからおじさんの生き様コントへ ・2021年頃、塚本がアフリカの民族楽器・アサラトを習いはじめる。 ・2022年2月、塚本がラジオでの公開告白から7年以上交際したお相手との結婚を発表。「ゴッドタン」(テレビ東京)内のインフォマーシャルで明かすという報告の仕方も話題に。 ・2022年5月、溜口がYouTubeラジオ「ラブレターズの階段腰掛け男」で結婚を報告。驚いた塚本が尿意をもよおし、トイレに駆け込む場面もあった。 ・2022年6月頃、塚本がミシンを購入し、古着のリメイク・お直しの「塚本ミシン」をスタート。 ・8月、「キングオブコント2022」準決勝まで駒を進める。6年ぶりのこと。 ・11月開催の単独ライブ「生きる。」のオープニング映像で塚本が赤子を抱いている様子が映し出され、第1子誕生が明らかになる。 ・12月の「M-1グランプリ2022」で唯一の同期、ウエストランドが優勝する。ウエストランドとは、芸人になって最初のライブで一緒になってからの仲。サイズ感も似ている。 ・2023年、7年ぶり4度目となる「キングオブコント」決勝へ返り咲き。1stラウンドではサルゴリラが爆笑を起こした直後、10番手で登場した。結果は6位。 ・2023年12月に前年の「生きる。」に続いて単独ライブを開催。タイトルは2人の年齢である「38」とし、開催に際して「過去最高に人生の体重が乗っかったライブ」とコメント。 ・2024年5月、4年前からシークレットシューズを履いていることから、神奈川・シークレット靴専 背が高くなる靴専門店 横浜関内マリナード店の1日店長を務める。 ・7月に東京と大阪で単独ライブ「39」を開催。「生きてきた39年全部乗せのハードパンチが出るのでめちゃくちゃ面白いです!」とコメント。このライブの大阪公演にタイタン社長の太田光代氏が訪れている。 ・2024年9月、溜口に第1子が誕生していたことが大竹まことのラジオで漏れ伝わる。発表の仕方をいろいろと考えていたことはニューヨークのYouTubeで本人の口から語られている。 ・10月、「キングオブコント2024」決勝に昨年と同様10番手で登場。引きこもりの息子の奮闘の形跡を真新しいどんぐりの存在で知ることになる中年夫婦のコントでロングコートダディと2位タイに。5度目の決勝にして初めてファイナルステージに進んだ。最終3組のうちトップバッターで2本目のネタを披露。海岸に佇む坊主の女性と来日2年にして日本語を自在に操る外国人の衝撃的なやり取りを描いたコントは審査員をざわつかせたものの、1stステージとの合計点で優勝。記者会見で溜口は、「人生を変えてもらえたし、人生を自分で変えることもできた。最初の道を作ってもらって、最後は自分たちで切り拓いた」と語った。