日航機の遺族「いっぱい泣いて悲しんでいい」 知床事故の家族支える
北海道・知床半島沖で観光船「KAZUI(カズワン)」が2022年4月に沈没し、26人が死亡・行方不明となった事故では、日本航空(JAL)のジャンボ機墜落事故で次男(当時9)を亡くした美谷島邦子さん(77)も国の支援室のアドバイザーとして遺族に寄り添ってきた。 【写真】1985年の日本航空機墜落事故で息子を亡くした美谷島邦子さん=2024年4月23日午前11時42分、北海道斜里町、角野貴之撮影 美谷島さんは23日、昨年に続き、知床を訪れた。午前中、カズワンが出航した港の桟橋で海に向かい、手を合わせ、午後から追悼式に出席。滞在中、不明者の家族にも会い、言葉を交わした。 「2年経っても、『あの日』に戻るのは家族にとってつらいこと。いっぱい泣いていい、悲しんでいいと伝えたい。私たちに出来ることはわずかなことだけど、少しでも役に立てたら」と語った。 国の公共交通事故被害者支援室は美谷島さんたちが訴え続け、2012年4月に発足した。12年4月に起きた関越道バス事故や16年1月の軽井沢スキーバス事故などで被害者や被害者家族の支援に携わった。
朝日新聞社