「いつか全部やめたい」あのちゃんが時代の寵児となった理由 〝赤LARK〟以前から芸人と深い関わり
こんなせこくない有名人おらん
直近のあのを語るうえで外せないのが、昨年4月から『あのちゃんの電電電波♪』で共演している霜降り明星・粗品の存在だ。 同番組では、あのがMCを、粗品が飼い猫・ササキの声で進行・アシスタントを担当。トークやゲームを中心とする自由でまったりとした空間は、PUFFYの2人とゲストがゆるいトークを繰り広げて人気となった『パパパパPUFFY』(テレビ朝日系・1997年~2002年終了)を想起させる。 ただ、これまでの音楽トークバラエティーと違うのは、あのだけでなく猫のササキまで奔放な発言でゲストを翻弄する点だろう。例えばCreepy Nutsをゲストに迎えた今年3月の放送回でTikTokライブの企画を実施したシーン。 ササキが「もう勝ったと思うアーティストは?」という視聴者からの質問をピックアップすると、DJ松永が「巻き込もうとしてるだろ」と疑いの目を向ける。その後、松永が「勝負とかじゃない」、R-指定が「勝者も敗者もない世界」とはぐらかすと、あのは「どんどん言葉出てくる」とその頭の回転の速さに感嘆するも、ササキは「嘘がつらつら」と逃さない。 後半で再びササキが「昨今の芸能界」について水を向けると、Creepy Nutsの2人は「いい感じだよな」「誰も不幸じゃない」「人の意見を聞く人ばっかり」と知らぬ顔。ゲストが去った終了間際の「あのちゃんのひとりごと」のコーナーで、ササキが「すごい回避能力」、あのが「ぜんぜん引っ掛かんなかった」と振り返っていたのが印象深い。 この“ゆるさ”の中にはらむ“スリリングな悪意”こそ、多くのミュージシャンが「番組に出たい」と口にする所以ではないだろうか。 昨年5月にはYouTubeチャンネル『動画、はじめてみました【テレビ朝日公式】』内の「あのちゃんねる」で共演。息の合ったトークが評判を呼び、動画の1つは現時点で662万回という驚異的な再生回数を記録している。いつからか2人は“そしあの”と呼ばれ、高い注目度を誇るコンビとして認知されるようになった。 とくにここ最近は、各々のYouTubeチャンネル、粗品の音楽ライブツアー『星彩と大義のアリア』(あのは自身のバンド「I's」のメンバーとして出演)、都内で開催された『Fender Flagship Tokyo 1日店長就任式』にそろって出席するなど共演が目立った。 その1つである『あののオールナイトニッポン0(ZERO)』では、ゲストの粗品があのの楽曲やライブパフォーマンスを絶賛し、まるで同志を鼓舞するようにこう発言している。 「こんなせこくない有名人おらんねんから。せこいやつばっかりや、今芸能人。あいつはキショい手使って売れて、あいつはあんなん言って売れて。(中略)お前はそれやってないのがすごい。で、一般人も関係者のみなさんもよく聞いてくださいよ。あんまりあのをなめるなよ。だませると思うなよ、あのを。全部わかってるぞ、こいつは」