【巨人】「大切な人の命を救えるか」トレーナーら30人が救命処置研修受講 木村拓也さんの悲劇を教訓に
巨人の1、2、3軍のトレーナーとジャイアンツ寮のスタッフら30名が24日、ジャイアンツ球場で救命処置講習会を受講した。一時救命処置(BLS)と呼ばれる、AEDを用いた心肺蘇生法の資格に関する講習を約4時間にわたって受けた。 巨人では2010年に木村拓也さん(当時巨人コーチ)が4月2日のマツダスタジアムでの広島戦前、シートノックを打っている途中に当然倒れ、くも膜下出血のため同7日に37歳で亡くなった。球団はその翌年から「大切な人の命を救えるか」を命題とした講習を毎年取り入れ、10年以上継続してきた。 講師を務めた国際武道大体育学部の山本利春教授は、「木村コーチが亡くなったとき、当時の原監督を含めたスタッフが『何かすることができなかったんだろうか』と悲しみ、苦しんでいた」と当時を回想。さらに「2度とそういったことがないよう、仲間や大切な人、あるいは選手を救う準備はできるだけしようということで始まった。第1回目はみんなが本当に涙ぐみながら、木村さんのことをしのんで一生懸命にやっていた姿が忘れられない」と振り返った。 実際に、2016年には根津トレーナー、20年には会田ファーム統括(当時は3軍投手コーチ)がAEDを用いて人命を救助した。山本教授は「10年続いても(球団の)熱はいまだに冷めない。根津さん、会田さんは講習をやっていたので体が動いたとおっしゃっていた。野球の現場だけでなく、一般の現場でも人の命を救っているということで、成果になっているのかなと思います」と語った。(小島 和之)
報知新聞社