球界大御所が阪神“CS下剋上”を予想「ひょっとしたら、ひょっとする」
セ、パのクライマックスシリーズのファイナルステージが今日9日に開幕。レギュラーシーズンの優勝チームに1勝のアドバンテージがあり4つ先勝したチームが日本シリーズに進出する。巨人は“投手3冠”の山口俊を先発に立て、阪神は今季プロ初勝利を挙げたばかりの望月惇志に初戦を任せる。ヤクルト、西武で監督を務めた“球界大御所”広岡達朗氏のCS予想は、意外にもあのチームを推すものだった。
阪神の変貌ぶり
「ひょっとしたらひょっとするかも」 これが“球界大御所”広岡氏のセのCSファイナルS予想である。 広岡氏は、シーズン終盤を6連勝にまとめて、CS出場権を広島から逆転で奪い取り、そのCSファーストステージでも、2位の横浜DeNAに競り勝った阪神の戦いぶりに驚いたという 「阪神のCSファーストステージの戦いを見て“野球はピッチャーだ”とつくづく思い返した。横浜DeNAと阪神では後から出てくるピッチャーの質が違った。野球は点を取らねば勝てないゲームだが、点をやらねば負けないゲームである。阪神は1点を取れば勝てる野球を知った。そして何よりチームに勢いがある。元々投手力があって、これくらいはできるチームだが、シーズン序盤とは別チームのようだった。一方、横浜DeNAは“どうした?”と思うほど気迫が出ていなかったね」 辛口の広岡氏が珍しく阪神の強さを認めた。 ジョンソンが夫人の出産立ち会いのため不在の緊急事態だったが、島本、岩崎の左2枚にCSファーストステージ用にガルシアもブルペンでスタンバイ、そしてドリス、藤川の最後を締める2枚がいい仕事をした。まさに“最強のブルペン”と言っていい。投手陣が踏ん張ってゲームを作り、打線が粘って1点をもぎ取っていく。第1戦は、6点差を逆転。第3戦は2-1のスコア。いずれも1点差を守り切った。 そして今日9日から東京ドームで巨人とのファイナルステージである。レギュラーシーズンの対戦成績は、阪神が10勝15敗と大きく負け越した。東京ドームでは2度3タテを食らうなど相性は良くない。自慢の投手陣も対巨人となるとチーム防御率が4.05とガタッと下がる。 広岡氏はポイントを「阪神投手陣vs巨人打線」と見ている。 「阪神が勝つためには、巨人の特に坂本、丸の2人をどう抑えるかがポイントになるだろう。あそこが巨人の打線の軸。ここを分裂させると点が取れない。巨人は後から出てくるピッチャーが頼りない。阪神は先発を早く降ろしてそういう展開に持ち込むこと。ブルペン勝負になれば阪神が有利だ。加えて阪神は1点を取って勝つ野球を覚えた。機動力を使えるし競り合いで勝負強く点を取れるようになった。レギュラーシーズンの優勝チームが勝たねば、この国のプロ野球はおかしくなるが、阪神が、その投手力を生かせば、ひょっとすればひょっとするかもしれない」