原始感覚を体感できる…【暗闇体験】とは? 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」忙しい現代人に需要があるワケ
原始感覚を体感できる「暗闇体験」
「暗闇体験」という言葉を知っていますか? その名の通り、視界を完全に閉ざし、目の見えない世界を体験するというものです。本記事では、普段から目まぐるしい日々を送る私たちに安らぎを与えてくれる、暗闇体験について解説します。体験者のコメントも集めたので、ぜひ参考にしてみてくださいね! 【画像】“暗闇”に放り出されることで得る感覚って?(画像5枚)
暗闇体験「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」とは、普段目を使わない視覚障害者が特別なトレーニングを積み、純度100%の暗闇をアテンドしてくれるツアーのこと。ダイアログ・イン・ザ・ダークは、1988年のドイツにおいて、哲学博士アンドレアス・ハイネッケが発案者となって考案されました。世界47ヶ国以上、900万人を超える体験者がおり、日本には1999年11月に入ってきたソーシャルエンターテイメントです。 とある学生向けプログラムでは、視覚障害者が歩行する際に使用する杖「白杖(はくじょう)」の使い方から学びます。そして、みんなで照度ゼロの暗黒へと足を踏み入れるのです。明るい部屋から一気に暗い部屋へと入ると、すぐ隣にいる人すら見えなくなります。味わったことのない緊張感の中、勇気を出して一歩踏みだす。怖さの中から、ほかの人と助け合うために知恵を出し合う。五感が研ぎ澄まされていき、問題を解決するための知恵が生まれていきます。人と人が信頼しあう、その根本的な価値観がどれほど尊くて大切なのか。それに気づきを与えてくれるのが、ダイアログ・イン・ザ・ダークなのです。
暗闇体験のメリット
暗闇体験を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。一つは、“目の見えない人への理解につながる”ということです。それだけでなく、暗闇に放り出されることにより、人間が本来備わっている五感を再発見できます。視覚以外の嗅覚・味覚・触覚・聴覚、そして想像力が鋭くなっていき、どれほど豊かな世界で生きているかが分かるようになるでしょう。 グループで暗闇体験を行えば、協力性や信頼関係が育まれます。暗闇の中が安心するという人もいますが、多くの人は闇を怖がります。自分以外の人間がいる、仲間がいるという安心感は、暗闇体験ならではの感想です。 複雑な人間関係の中では、生きづらさややりづらさを抱えている人は少なくありません。それが、暗闇の中で一度リセットされます。緊張感の中、自分と向き合ったり、仲間と対話したりする中で、人との付き合い方だけでなく、自分自身との付き合い方を学んでいくのです。