【ボクシング】「横浜のタイソン」田中空1回TKO勝利の上々デビュー「気づいたら倒れていた」
<プロボクシング:フェニックスバトル117大会>◇25日◇東京・後楽園ホール 「横浜のタイソン」と呼ばれる23年ボクシング全日本選手権ウエルター級優勝などの実績を持つ田中空(23=大橋)が上々のプロデビューを飾った。 韓国同級8位キム・ドンヨン(29=韓国)との同級6回戦に臨み、1回1分8秒、TKO撃破。身長165センチの田中空が10センチ以上も背の高いキムに対し、左右の連打から強烈な右フックでダウンを奪取。さらに立ち上がったキムに連打からの左フックでダウンを追加し、レフェリーストップに追い込んだ。 2度のダウンを奪った圧勝劇にも田中空は「狙っていなかったパンチで、打ったら当たっていた。気づいたら倒れていた。6回までやるつもりはなく、なるべく早く試合を終わらせたかった」と笑みをこぼしながら振り返った。プロ初陣に「緊張もあったが、ワクワク感もあった。1回から倒しにいくスタイルで、これから連続KO記録がついてきてくれたら」と満足顔だった。 3歳から指導を受ける元プロボクサーの父強士さんと二人三脚で成長を続け、アマ戦績58勝(39RSC)8敗とレフェリーストップ勝ち(TKO勝ち)が多い「倒し屋」だ。165センチと軽量級の身長となるものの、世界的にも選手層の厚いウエルター級が主戦場となる。通常体重は72~73キロで骨太、胸板が厚いガッチリ体形。身長180センチながら大型選手を次々と撃破していった元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の試合動画を参考にボクシングスタイルを確立。所属ジムの大橋秀行会長(59)は「横浜のタイソンと言われてきた。タイソンと同じく、小さい体で倒すということを実現していってもらいたい。確かにウエルター級では小柄だが、小柄なことが武器になっている」と期待を寄せている。 ◆田中空(たなか・そら)2001年6月1日、川崎市生まれ。3歳の時、元プロボクサーの父強士さんの勧めでボクシングを開始。幼稚園から大橋ジムでもスパーリングを経験。武相高から東洋大へ進学。17年に高校選抜、アジアジュニア選手権、19年に高校選抜優勝。22年に国体、23年に全日本選手権を制覇。家族は両親と妹。身長165センチの右ファイター。