渡辺えり、新派公演「喜劇 お江戸みやげ」波乃久里子とのコンビで笑いを誘う 共演に喜多村緑郎、河合雪之丞ら
女優の渡辺えりが東京・三越劇場で上演している「初夏の新派祭」(23日・千秋楽)の「喜劇 お江戸みやげ」に出演している。 17代目中村勘三郎、14代目守田勘弥のコンビで1961年(昭和36年)に初演され、歌舞伎で何度も上演されている世話狂言の名作。渡辺と波乃久里子が、結城から呉服の行商に来たお辻、おゆうを演じ、喜多村緑郎が役者の阪東栄紫を演じる。渡辺演じるお辻は本来、倹約家だが、おゆうに誘われて酒を飲み、人が変わったように太っ腹に。栄紫にほれ込み…。その展開が、ほほ笑ましくも切なく、笑いと涙を誘う。 渡辺は「時代背景を自分の細胞に入れた上で内面のリアルさを大事に、所作などもきちんと学び、大先輩の(波乃)久里子さんから少しでも多くのことを盗めればと思います」。緑郎は「お辻があそこまで栄紫に夢中になるのは若い役者としての美しさだけでなく、人間性も含めてなのだと思います。有り金すべてを渡してでも助けたいと思わせるような人物として、作っていきたいです」と話している。 もう一つの演目「螢(ほたる)」は昭和初期の東京下町の情緒を感じさせる物語。緑郎、河合雪之丞のほか、喜多村一朗と河合穂積が交互出演する。また、終演後のカーテンコールでは出演者のあいさつがあり、観客によるスマートフォンでの撮影可能タイムも設けられている。
報知新聞社