直木賞小説を映画化!前田哲監督最新作『花まんま』鈴木亮平と有村架純が兄妹役で初共演
『そして、バトンは渡された』(21)の前田哲監督がメガホンをとる『花まんま』が2025年春に公開される。このたび、本作で鈴木亮平と有村架純が兄妹役で初共演をはたすことが明らかになった。 【写真を見る】朱川湊人による原作小説 2005年、第133回直木賞を受賞した短編集「花まんま」を原作とする本作。ある兄妹の不思議な体験を描いた物語で、表題の「花まんま」は、子どものままごと遊びで作った“花のお弁当”を意味し、大切なひとへ贈り届けるキーアイテム。記憶の濃淡を丁寧に語り分けながら、人間の哀しさや温かさを繊細に織り込む巧みな筆致で評価されている作家、朱川湊人の代表作品であり、初版からおよそ20年の時を経て映画化された。 タイトルの『花まんま』に因み、はなと読める8月7日に解禁されたのは、本作の主人公となる大阪下町の兄妹を演じる鈴木と有村。鈴木、早くに亡くした両親との約束を守るため、たった一人の妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄、加藤俊樹役で主演を務める。鈴木は本作について「兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品」とコメント。俊樹という役については、「ぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間」と評しており、その役柄の奥行きを感じさせる。 また、有村が演じるのは俊樹の妹で、間もなくの結婚を控えながら、ある〈秘密〉を抱えるフミ子。劇中でフミ子は兄を「兄やん(にいやん)」と呼ぶが、初共演となる鈴木との現場について「兄やんとの日々はとても不思議でした。生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました」と振り返っている。ともに関西出身ということもあり、舞台設定地域である関西圏の軽妙な台詞回しはもちろん、撮影現場でのちょっとした打合せや休憩時間においても自然体で会話する場面が多く見受けられ、日本を代表する二大キャストがどんな兄妹を演じているのか今から期待が高まります。前田監督は、今回解禁された2人に対し「初顔合わせの2人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、スクリーンの中で存在しています」と語った。 さらに、兄妹それぞれの表情と物語のキーアイテム「花まんま」を切り取ったファーストビジュアルも解禁に。兄、俊樹、妹、フミ子の朗らかな表情と、「花まんま」を包む小さな手がまるでプレゼントを渡しているかのような印象的なショットが切り取られ、春風のような温もりとともに、大切な人へ贈り届ける想いの交差が感じられる。 豪華キャスト、スタッフが贈る珠玉の感動作は2025年春全国公開。今後の続報にも期待したい。 ■<スタッフ、キャストコメント> ●鈴木亮平(加藤俊樹役) 「本作は、兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品です。また、時代が変わっても僕たちが「結婚」というものに感じる不思議な感情の正体を、自分でも見つけてみたいと思って臨みました。演じた俊樹はぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間です。関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした。同じ関西人である有村さんや前田監督ともたくさんコミュニケーションを取り合い、『花まんま』の世界を一緒に作り上げることができたと自負しています」 ●有村架純(加藤フミ子役) 「ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて。兄やんとの日々はとても不思議でした。生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました。花まんまが導く大きな家族の物語。皆さんに届くと良いなと思います」 ●前田哲(監督) 「小説『花まんま』に出会ってから15年余りの年月が経ちます。ずっと心から離れない「大切な愛しい人を思い続ける」切なくも優しい物語を、映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました。映画では小説にある小さな兄妹のその後も描いています。初顔合わせの二人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、スクリーンの中で存在しています。撮影は春に実際の舞台となる近畿圏で終えて、今は仕上げの真っ最中です。しばし完成まで、楽しみにお待ちください」 ●朱川湊人(原作) 「私が書いた『花まんま』は八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です」 文/鈴木レイヤ