『いたばしの地域ボードゲーム会』を立ち上げたフリー編集者「自然と地域の人や歴史を学べるゲームを作っていきたいです」
一週間後はクリスマス。そろそろサンタさんが子供達にどんなプレゼントを届けるか、そわそわする頃ですね。人気は、やっぱりゲームでしょうか? 板橋区でボードゲームを企画・制作するフリー編集者の方がいらっしゃいます。
それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。 板橋区に住む編集ディレクターの松本浄さんは、昭和54年生まれの45歳。いわゆる“ファミコン世代”で、2つ違いの兄とテレビゲームに夢中になる子供時代を過ごしました。小学6年生になると、父親が使い古したパソコンでプログラミングをして、ゲームを作って遊んでいたと言います。 「ビルの壁をよじ登ってくるゾンビに、屋上から壺を落として撃退するゲームとか、いろんなゲームを作りましたね。あの頃はゲームで遊ぶより、作るほうが楽しかったです。ただ、当時は『ゲームで遊ぶことは悪いこと』といった風潮があって、自分でゲームを作っていることは誰にも話さず、こっそりと楽しんでいましたね。高校生になると、自分で考え、調べて学ぶことの楽しさに気づき、好きな科学の本ばかりを読んでいました」 その後、東京理科大に進学し、物理を専攻した松本さん。大学では自由な雰囲気の中で学べると期待していましたが、実際は講義形式の授業が多く、ただ聞くだけの日々に物足りなさを感じるようになります。やがて「早く社会に出たい」という思いが強まり、中退を決断します。 学習塾の教師を経て、出版社に就職した松本さんは、コピーライターとして、企業広告の制作に携わります。「お客さんの話を聞いてコピーを考える」という仕事が自分に向いていると気づき、独立を決意、結婚を機に板橋区へ引っ越しました。 現在は、デザイナーの奥様・松本初夏さんと、『いたばし編集デザイン室』を共同で運営しています。 「なぜ板橋に引っ越したのかよく聞かれるんですが、仕事がしやすい環境や交通の便がよいこと。そして一番は家賃の安さでしたね」 板橋に暮らすようになって、「板橋区民まつり」のパンフレットをはじめ、カフェやレストラン、中古車店のロゴマークや看板のデザインなど、松本さん夫婦は、地域に根ざした仕事も手掛けるようになりました。