名古屋グランパスJ2降格危機で地元必死 残留へ…市民「全力後押し」
サッカーJ1のリーグ戦年間成績が5勝15敗8引き分けの16位(9月15日現在)と、初めてJ2降格の危機に直面している名古屋グランパス。J1残留に向けて負けられない戦いが続く中、地元愛知県では、チームを応援しようと市民らが立ち上がり、さまざまな活動を展開している。 降格危機を伝えるポスター掲示や、街頭での応援呼びかけ活動を通じて、選手らにエールを送ろうと力を注ぐ。その応援の裏には、チームや選手らに対する感謝や存在の再認識など、さまざまな思いがあった。
豊田市発案でチラシ配布 「ホームゲームで声援を」太田市長も応援呼びかけ
名鉄豊田市駅(愛知県豊田市)で13日夕、ホーム戦の来場を呼びかけるチラシ2500枚の配布活動があった。発案は、チーム本拠地(ホームタウン)の1つの豊田市で、ボスコ・ジュロヴスキー新監督や川又堅碁ら4選手、太田稔彦豊田市長も参加。駅利用者にチラシを手渡して応援を呼びかけた。 太田市長は、5月以降続いた“勝利なし”という低迷期について「勝てない日が続くにつれて、ホームタウンとして何かしないといけないという思いが募ったし、J1チームが地元にある、というありがたみを改めて感じられた」と振り返り、「できることは、ホームゲームで声援を届けること」と、市全体で応援していくことを約束した。
「いつも協力してくれるチームだから…」 商店街は号外ポスター
県内商店街でも、チームを応援する機運が高まる。約150の商店街が加盟する県商店街振興組合の中で、名古屋グランパスと共に地域の活性化を目的として、16商店街が活動する組織・名古屋グランパスサポートタウンは、「J2降格危機」を見出しにした“号外新聞”のポスターやチラシ計1万5000枚を制作。各所での掲示や配布を始めた。 ポスターでは、1992年のJリーグ発足後、チーム史上最大の危機にある現状や、選手やチーム関係者らが地域貢献活動に協力している様子を伝え、「チームを助けるためにスタジアムへ応援に行こう」と呼びかけている。 夏期はそれぞれの商店街でイベントが盛んに行われる。そのイベントを盛り上げるゲストとして、グランパス選手が参加するのが恒例となっていたが「今年は勝てていなかったので、選手をイベントに呼びづらい雰囲気だった」という。商店街の中でも「グランパスがJ2に落ちるかも」と、チームの低迷による不穏な空気があった。そこで同組織は「いつも協力してくれるチームだから、困っているなら助けよう」と、地域全体で応援する機運を高めていこうと、例年行う事業を急きょ取りやめ、その予算をポスター制作に充てた。 組織関係者は「おらがまちのサッカーチームであり、Jリーグ発足からJ1であり続けるグランパスの存在は地域にとって大きい。みんなで選手を後押ししたい」と意気込む。