「本気度が伝われば絶対に応えてくれる」...《26年ぶりDeNA日本一の立役者》牧秀悟と職人たちのチームがすでに進めている「進化計画」と「来季狙うタイトル」
安定した成績を残す秘訣
上武氏が振り返る。 「彼の方から『小さくしてみたいです』という話があったんです。グラブが大きいと、その分、グラブの中でボールが遊ぶというか、動くというか。手にしっかりと収めたいんですね。2年目とかは結構、小さいグラブで1シーズンやっていました。ただ前半戦と後半戦では深さが違うものを使っていましたし、この年もやはり10種類くらい作りました。ずっと試行錯誤でした」 守備のミスをファンに厳しく指摘されることもある牧だが、それで下を向くことはない。 「彼はエラーについて自分の責任から目を背けることはしないです。僕にも『すみません、へたくそで。僕がミスをしているんで』みたいに言ってくれます。僕は『いや、グラブも原因あるわ、ごめん』と話すのですが、『グラブが悪い』とは絶対に口にしない。それは気を使ってくれているだけじゃなく、本当にそう感じているんだと思います。ただ、本当にすごいなと思うのは、エラーを引きずらないことです」(同前) DeNAの首脳陣の中にも「牧は大事な場面で凡退したとしても、ダッグアウトに戻ってくれば、すぐに次のバッターに声援を送る。エラーをしたときもそう。それは意外にできないこと。その切り替えの早さは、本当にすごい」と称賛する声がある。 「試合後に会うこともありますが、ミスをしたときでも、打てなかったときでも落ち込んでいるところは見たことがない。怒っているのも見たことがない。 もちろん試合では打ったり、打てなかったりのときなどに感情が顔に出るのは見ますけど、試合が終わったらもう全然。いつも変わらない。切り替えがうまいから安定して成績を残せるんだろうなとすごく感じます」(上武氏) もちろん、守備力向上を棚上げしているわけでもない。来季に向けて新たな試みを行うことをすでに決めているという。
これまでは3パターンだったが
「1年目から今季もそうだったんですが、前半戦にエラーが多くて、後半戦になったら落ち着くという流れがあるんです。少し前にも、彼とその話をして、考えられる理由としては『やっぱりグラブに慣れてくるからかな』ということを言っていた。 グラブが馴染んでいないとギリギリ追いついたけど掴み損ねるとかだけでなく、正面のゴロでも捕れたと思ったのに弾いてしまっていたりとかもあると思います。そこは選手によるところもあるんですが、来年は1つのグラブを1年間、使い切ってみようと話し合いました」(上武氏) グラブは試合用と練習用にわけて使うのが一般的だが、来季は常に同じグラブを使用することで手に馴染むまでの期間を短縮するというプランを練っている。 「グラブを渡すのは例年通り1月ですが、これまではたとえば3パターン渡して、3つを試しながら、1つに決めてシーズンスタートだったんです。それを自主トレから1つのグラブだけをしっかり使って開幕し、前半戦に臨んでみようと話しました。 やってみたことがないので、それで1シーズンもつのかはわかりません。通常なら1シーズンもつのですが、それは試合用と練習用をわけて使ってのことですし、たとえばどれだけ雨の中で使うかなどでも変わってくる。それでもやってみようと二人で決めました」(同前) そうした密な意見交換を普段から積み重ねられることは、実は当たり前ではないそうだ。
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