「悔しゅうてしゃあない」と涙 兵庫県の片山副知事がきょう辞表を提出へ 「県政を混乱させている責任をとるため」斎藤知事のパワハラ疑惑を告発した職員が死亡 7月末での退職を決断
12日、兵庫県の片山安孝副知事が辞職する意思を固めたと表明しました。理由について、「県政の混乱させている責任をとるため」などとしています。 ■【動画で見る】会見で号泣も「パワハラ疑惑」で揺れる兵庫県・片山副知事が辞職の意向 知事は「任期全うする」と返事 副知事は会見で「ほんまに悔しゅうてしゃあない。一生懸命やっている知事を支えられなかった」と涙ながらに語りました。 また副知事は、知事にも辞職を求めましたが断られたということです。
■知事のパワハラ疑惑告発 『事実無根』として懲戒処分受けた元県民局長が死亡
兵庫県の元西播磨県民局長(60)はことし3月、斎藤知事のパワハラ行為などを告発する文書を一部の報道機関などに配布しました。 しかし、斎藤知事は当初「業務時間中に『嘘八百』含めて、文書を作って流す行為は公務員失格です」と語り、県は内部調査の結果、告発文は『事実無根』だとして、元県民局長を停職3カ月の懲戒処分としました。
その後、告発文に書かれていたコーヒーメーカーの贈答について幹部(55)が企業から受け取っていたことが判明。 さらに、知事も公務中に20メートル歩かされて職員を厳しく叱責したことなどを会見で認めるなど、告発文の内容が知事の言う「嘘八百」でないことが明らかになり、議会で内容の真偽を確かめるための強い調査権を持つ『百条委員会』が設置されました。 元県民局長も百条委員会に証人として出席する予定でしたが今月7日、死亡しているのが見つかりました。 自殺とみられます。
■副知事が知事に辞職求めるも 知事は「固辞」
11日午後、片山副知事は斎藤知事を訪問し「県政の混乱させている責任をとるため」として辞職の意向を伝えたということです。 さらに、斎藤知事にも自身とともに辞職するよう求めましたが、斎藤知事は「県民の負託を受けている」などと断ったということです。 この問題を巡っては、10日にも県職員およそ4000人が加盟する労働組合が知事に辞職するよう申し入れています。
■「ほんまに悔しゅうてしゃあない。一生懸命やっている知事を何で支えられなかったんだと」副知事が会見で涙
12日午前、会見を開いた片山副知事は、「7月末に退職するとする辞表を提出する予定だ」と明らかにしました。 理由については以下のように述べました。 「この3月から3カ月にわたり県政にさまざまな影響が出ております。県政の混乱を招いたことに対する県民の皆さんへの責任を重く受け止め、企業でいう経営者たる特別の誰かが責任を取らなければならないと考えたところであります」 「知事と職員の間は残念ながら距離があると言わざるを得なかったと思っています。副知事として指示をして、調整を進めてまいりましたが、力及ばなかったことの責任を痛感しているところでございます」 「2つ目は百条委員会で証言を行うなど職員の皆さんに大きな負担をかけることとなっていることへの責任です。百条委員会の設置は議会の判断でそれに従うこととなりますが、証言等で大きな精神的ストレスは計り知れません。また職員の皆さんの間で疑心暗鬼が生じ、こうした溝は容易に生まれたのではないかと考えています」 また、涙を流しながら「『誰かが責任をとらなければいけないと思っているので、自分が責任を取らせて頂きたい』と、このように強く申し上げました」 「それは私の信念として変わりないということを申し上げました。そうしましたら、知事はちょっとお考えになったような感じはありましたけれども、『この3年間、片山副知事には大変お世話になった』と頭を下げられまして、私も本当に大変申し訳ないと、なんであの知事を支えられなかったのかと、ほんまに私は悔しゅうてしゃあないですよ」 「もう自分の能力がなかったと、このように思っております。一生懸命やっている知事を何で支えられなかったんだと、確かに知事の色々課題はあります。その点はもう謝りますが、やはり支えることができなかった自分に対する非常に強い自責の念がございます」と語りました。
関西テレビ