カナダ公立高3ヵ月間留学で180万円!?「高校3年間にかかる意外なお金」をFPが解説
2020年4月から国が高等学校等就学支援金として返還不要の授業料支援を行っている。24年度には東京都が条件を緩めた助成制度を開始。私立高校は以前よりも金銭面で身近な存在になっている。(ダイヤモンド・ライフ編集部) 子どもが海外留学などを希望すると思わぬ出費に…?
都の授業料実質無償化で私立高校への進学が身近に
2024年度から東京都で高校の実質授業料無償化制度が始まった。これまでも国の支援はあったが、都の助成制度は所得制限が撤廃され、誰もが制度を利用できるようになった(以下の表1参照)。 しかも、都内在住ならば、都外の学校に通学しても制度が適用できる。 無償化によって公立と私立の高校の学校教育費の差は、3年間で60万円に縮小した(下の表2参照)。高校の進学先の選択肢として「私立校」がより身近になったといえよう。 ファイナンシャル・プランナーの塚原哲氏は「地方から都内の高校や、東京近郊の千葉・埼玉・神奈川の高校に複数の子どもを進学させたいと考えている家庭は、都内に引っ越すという選択肢も視野に入ってくるだろう。助成制度で補助される金額は月平均4万円(2人なら8万円)となり、家計にとって家賃補助があるような効果が出る」と解説する。
思わぬ出費に用心教育費は計画的に貯蓄を
授業料が無償化したといえども、学校によっては授業料以外にかかる費用の各項目が高額になることがある。塾など学校外の費用は別にかかることも見逃せない。 実例で説明しよう。理系の私立大学に通う大学1年生と私立高校1年生の3歳差の子どもがいる加藤(仮名)家では、昨年1年間で教育費に650万円かかったという。 入学金や学費の他、地方から移り住んだ家賃120万円、第1子の大学一般受験料約50万円、第2子の高校入学後、カナダ公立高校3ヵ月間の短期留学費用約180万円(渡航費込み)がかかったからだ。 「子どもの希望をそのままかなえるには、とてもお金がかかるということを自覚しておく。特に入学のタイミングが重なる3歳差の子どもがいる家庭は、幼少期から費用を準備することが重要」(塚原氏) 授業料無償化を契機に、進学先を選ぶ上で教育費について親子でしっかり話しておくといいだろう。「わが家の教育費の上限は1学年でいくらだよ」と明かしたり、入試説明会では公表されている以外にどのような費用がいくらかかるのか学校に確認したりしておくのが賢明だ。
ダイヤモンド・ライフ編集部