北朝鮮の拉致は「夜道」や「海岸」で起こってるんじゃない 巧妙に誘導する国内協力者の影
岡田氏は、松木薫さん(71)=拉致当時(26)=の姉、斎藤文代さんとよど号グループの一人、岡本武容疑者=国際手配中=は熊本県内の同じ中学校出身だとし「こんなに偶然が重なるわけがない。なぜこれほどまでに日本人が拉致されるかといえば、国内に協力者がいるから」と、武装闘争を掲げる日本の新左翼勢力による関与をも示唆。「協力者を逮捕してこそ情報が出てくるのに、この国はそれ(身柄拘束)をしない」と憤る。
■イメージ転換必要
「海から上がってきた人間が(ターゲットを)連れ去るというのは、拉致を実行する立場になって考えればリスクが大きすぎる」とは荒木氏。国内の協力者の存在を知ることで拉致の深い理解につながると考えている。
調査会幹事長で、製作プロデューサーの村尾建兒(たつる)さんによると、多様なケースを題材に4~5作品を製作。このうち何本かの製作費用はクラウドファンディングを活用する。今回上映されたのはプロローグ版で、年内にもユーチューブで公開予定だという。
村尾さんは言う。「拉致は大半が誘導。『日本海』や『夜道』のイメージでは、いつまでたっても拉致は自分ごとにならない」(矢田幸己)