EV小型トラック用タイヤにスポーツカー向け以上のこだわりが…エコ性能が高まれば、送料だって安くなる!?【Key's note】
エコ性能が高まれば消費者の負担も減る!?
さらには、環境性能も見逃せません。EVの課題のひとつである航続可能距離を伸ばすには、転がり抵抗が無視できません。新開発の「ナノエナジーM151EV」は従来品よりも転がり抵抗を抑えているそうです。 基本的にこのタイヤは「リブタイヤ」に属します。リブタイヤとは、周方向の横溝を減らし、縦溝を主体にデザインしたタイヤのことです。コーナリングよりも直進することが多いトラックには相応しいデザインなのですね。縦溝によって排水性を確保します。 「ナノエナジーM151EV」はさらに接地面アウト側の横溝を減らすことで剛性を高め、耐摩耗性を向上させています。移動距離が多いトラックにとっては耐摩耗性も無視できない要件です。それをアウト側のゴムデザインで確保。それでいて、接地面イン側にはわずかに横溝を掘っています。これによりEV特有の急激なパワーに備えてトラクションを確保しているのです。 接地面センター付近のデザインにより、空荷時の接地面積をも確保しているそうです。そうです。トラックはフル積載時と空荷時で、タイヤにかかる荷重が極端に変化します。われわれが日頃ドライブしているクルマでは、せいぜいが乗員の数や燃料の量(EVには無関係ですが……)程度の影響ですから大幅な変化はありませんが、トラック用となると荷重の激烈な変化に対応しなければならないのですね。 ちなみに、磨耗ライフは従来品と比較して21%も向上しているそうです。トラックはランニングコストにも敏感です。燃料費はもちろんのこと、タイヤの消耗も無視できません。そのコストが輸送会社の業績に直結するばかりか、それが輸送費の高騰になり、われわれが支払う送料に転化されることもあります。 「ナノエナジーM151EVを履いたトラックで運んでくれ」 われわれが宅配便を頼むときにそんなリクエストすることはできません。 「ナノエナジーM151EVだから送料を安くしますよ」 ともなりませんね。ですが、少しでも環境に貢献できることは嬉しいことです。初めてトラックショーに足を運びましたが、参考になることばかりでした。
木下隆之
【関連記事】
- ■【画像】EVトラックの性能を引き出す性能が満載! 「ナノエナジーM151EV」のこだわりがすごい(8枚)
- ■気持ちは日本代表! ニュル24時間レースに2024年も参戦…世界一過酷といわれる理由とタイヤ戦争と呼ばれるわけとは【Key’s note】
- ■トラックの制限速度を上げても「2024年問題」は解決しない!? 大型トラックの「追い越し」問題はなぜ起きる?【Key’s note】
- ■SUPER GT第2戦富士で1-2フィニッシュした日産チームの立役者! 新総監督は世界初のエンジンを生み出したエンジニアです【Key’s note】
- ■GT3マシンのタイヤは1セット50万円! レースはとんでもないお金が動くのでファンは魅了されるのです【Key’s note】