自分自身の生誕年と同じ年式のバイクを所有したい!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.1
ピノキオテールランプが特徴の時代
所有していたバイクを譲渡するので、新たなるオーナーさん宅へバイクを届けたときのお話しでした。そのガレージで出会ったバイクが、ホンダ「C100」だったのです。C100と言えば、小学生の頃、親父が通勤バイクとして乗っていたモデル。そのC100を皮切りに、その後、乗り継いだスーパーカブには、さまざまな思い出があります。 【画像】レトロかつカッコイイ! ホンダ「スーパーカブ」1962年モデルを画像で見る(7枚)
新車購入などできなかったので(当時のスーパーカブは5万円強)、親父はいつも、予算1万円の範囲内で、程度が良いスーパーカブが下取りに入ると、知り合いのバイク屋さんから購入し、乗り換えながらスーパーカブで通勤。最初に購入したモデルは鷲鼻テールで、親父からは「10年前のモデルだから1万円で買ってきた」と聞いていました。鷲鼻テールは記憶していたので、思い起こせば、初期シリーズのスーパーカブが親父の愛車だったと思われます。
売買車両のオーナー宅で見つけたC100は、おむすび型の逆三角形テールで、カマキリの顔のようにも見えることから、おむすびテールとかカマキリテールと呼ばれる最終シリーズのC100でした。バイクを納車しつつ、バンにC100を載せて帰宅。 その時、すでに別のスーパーカブ(かもめシリーズ)は所有していましたが、スーパーカブの歴史を知っていく中で、初代シリーズで「OHVエンジン」を搭載した、C100が気になっていました。代わりに持ち帰ったC100は、決してコンディションが良い訳では無く、エンジン始動するとマフラーからは白煙がモクモク……。2ストエンジンのモクモクとは違った、目にしみるモクモク感が、4ストエンジンの特徴でした。
まずはエンジン修理を進めよう、気になる白煙が出なくなるようにしよう、と考え、新品部品を集めて作業開始。世界的に数多く販売されたC100用部品は、後期モデルの補修用なら比較的容易に購入することができました。 分解したシリンダーヘッドから旧排気バルブを抜き取り、そのバルブステム径をマイクロメーターで測定すると、新品バルブと比べて確かに摩耗進行していました。しかし、モクモク白煙になるほどの減り具合ではなかったのです。 次に、シリンダーを抜き取ると、すでに0.25ミリオーバーサイズのピストンが入っていて、ピストンリング単品をシリンダー内に挿入して、リングの合口隙間を測定すると、すでに使用限度値を軽く超えていることがわかりました。 一般的にモクモクの白煙原因は、吸排気バルブステムからエンジンオイルが下がってしまうのと、ピストンリングの摩耗によるオイル上がり。さらにはピストンリングの中でも「オイルリングの張力不足」が考えられます。 そこで、シリンダーはさらに1サイズ大きくしようと考え、0.50ミリオーバーサイズの新品ピストンとピストンリングを準備。ピストンピンやピストンピンクリップも新品部品を用意しました。 内燃機のプロショップへ依頼する際には、ピストンクリアランスを20/1000~25/1000ミリで依頼。シリンダーヘッドに関しては、分解後に旧排気バルブを新品部品に交換し、そのバルブに合わせて、燃焼室のバルブシートカットと擦り合わせを依頼しました。このような手順で新たに内燃機加工を施した腰上部品をエンジンに組み込み、マフラー内をガソリンで洗った後に乾燥させてから取り付け、エンジン始動。白煙が噴き出していたマフラーは、内部を脱脂洗浄しない限り、残留オイルやカーボンが焼けて再び白煙や黒煙が出てしまうことがあります。そんなエンジンの修理後には、マフラー内をガソリン洗浄し、乾燥させることも有効なのです。