5年前の台風災害の教訓踏まえ“初の避難訓練” 人工呼吸器など「医療的ケア」が必要な子どもが直接避難できる「福祉避難所」
5年前の台風災害の教訓を踏まえ、長野市は人工呼吸器など医療的ケアが必要な子どもが直接避難できる「福祉避難所」を設けています。9月17日は当事者の親子も参加し、初めての避難訓練が行われました。 長野市の清泉女学院大学東口キャンパスで行われた避難所の設営訓練。避難してきたのは人工呼吸器をつけている子どもとその保護者です。 大学は、こうした親子の避難を受け入れる「指定福祉避難所」になっています。 長野市福祉政策課・渡辺修課長補佐: 「体調面、心の状態にリスクが生じてしまうので福祉避難所に直接来られる体制をつくる必要がある」 障害者や高齢者など避難生活に配慮が必要な人を受け入れる「福祉避難所」は、これまで、一次避難の後、ニーズに合わせて開設してきました。 しかし、移動の負担が大きく、必要なケアを受けられるまでに時間がかかることなどが課題となっていました。 5年前の台風19号災害の時にも、「福祉避難所に直接避難したい」との声が寄せられていました。 検討を重ねてきた市は、今年5月、東口キャンパスなど3カ所を指定し、人工呼吸器を装着する18歳未満を対象に、事前登録していれば、災害時に直接避難できるようにしました。現在、3カ所で7人が登録しています。 17日は初めての避難訓練。台風による大雨で「警戒レベル3・高齢者等避難」が発令された想定です。 人工呼吸器に必要な電力は近くの自動車販売店から提供された「給電車」で賄います。 訓練に参加した市内に住む小林さん親子。14歳の娘は神経の難病で人工呼吸器が手放せず、東口キャンパスの避難所に登録しました。 娘に医療ケアが必要・小林由香さん: 「避難してすぐに電源をとることができたのでよかった。医療ケアをそこでできることが分かっているので、安心して避難することができた」 市は今後も訓練を重ね、避難所も増やしていきたいとしています。 長野市福祉政策課・渡辺修課長補佐: 「避難することにリスクがあるから避難しないで災害にあってしまうことはあってはならない。まず避難していただけるようにバックアップをしていきたい」
長野放送