「ショック」「不信感を抱いた」俳優S・ヨハンソンさん、チャットGPTの音声が自分そっくりと指摘
生成AI(人工知能)「チャットGPT」を手がける米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は20日、新たに発表した音声サービス「Sky」の声の一つが米俳優スカーレット・ヨハンソンさんに似ているとの指摘を受け、問題の声を使用中止にすると明らかにした。 ヨハンソンさんは20日、同社が開発した新型AIの声が、自分の声と「不気味なほど似ている」として非難した。ヨハンソンさんがコメントを出す数時間前、オープンAIは「スカイ」と呼ばれる音声を停止すると発表していた。 アルトマンCEOは、スカイの声はヨハンソンさんの声を模したものではなく、別のプロの女優のものだとする声明を発表した。しかしヨハンソンさんの訴えを尊重し、同社はスカイを製品に使うのを一時停止したという。 だがヨハンソンさんは、昨年9月にアルトマンCEOからチャットGPT用の音声作成の仕事を持ちかけられ、断っていたことを明らかにした。ヨハンソンさんは声明の中で「友人や家族、そして一般の人も『スカイ』と名付けられた最新システムがいかに私の声に似ているかを指摘した」とコメント。 そのうえで、アルトマン氏が自分と不気味なほど似ている声を追及していることに「ショックを受け」「不信感を抱いた」と述べた。 さらにヨハンソンさんは、アルトマン氏がヨハンソンさん出演の映画「her」をツイートしたことで、「意図的に声を似せたことをほのめかした」と指摘した。2013年製作の映画でヨハンソンさんは、AIの声を演じていた。 ヨハンソンさんは声の作成過程について明らかにするため、弁護士に依頼したことを明らかにした。 AIが急速に普及する中、俳優の声や映像の権利をめぐる争いは、ハリウッドで焦点となっている。映画の製作会社も新たな作品制作にAIの活用を模索しているためだ。