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（ブルームバーグ）： 三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（ＭＵＦＧ）は19日、グループの銀行と証券会社間で顧客情報を違法に共有した問題を受け、亀澤宏規社長の役員報酬を３割、３カ月間減額するなどの関係者の処分を発表した。

発表によると、ＭＵＦＧの三毛兼承会長が同５カ月と最も重く、三菱ＵＦＪ銀行の半沢淳一頭取と三菱ＵＦＪモルガン・スタンレー証券の小林真社長はそれぞれ同３カ月の報酬を減額する。退任した役員４人に対しても報酬の一部返上を要請し、了解を得た。処分の対象は３社合計で21人に上る。

同日、都内本社で会見したＭＵＦＧの亀澤社長は「グループＣＥＯ（最高経営責任者）として大変重く受け止めている。ご心配、ご迷惑をおかけしていることを心よりおわび申し上げる」と陳謝した。その上で、銀行と証券が連携して事業を行う際、「留意すべき法令などを正しく理解した上で順守する意識の浸透が十分に図られていなかった」と述べた。

亀澤社長は、三毛会長の処分について、当時頭取として顧客との会話の中で法令違反の可能性があることを認識したものの、特定しなかったとして監督責任を果たさなかったと説明。三毛氏自身は非常に反省しており、管理責任を重く受け止めていると述べた。

また、モルガン・スタンレーＭＵＦＧ証券の田村アルベルト社長についても「われわれと平仄（ひょうそく）を合わせた対応がされると理解している」と述べ、同様に減給処分が行われるとの認識を示した。

「信頼失墜」と社長

金融庁は６月、三菱ＵＦＪ銀と三菱モルガン、モルガンＭＵＦＧに対して、グループ内の銀行・証券間での顧客情報共有を制限するファイアウオール（ＦＷ）規制違反で、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出した。持ち株会社のＭＵＦＧには銀行法に基づき、原因分析や再発防止策の報告を求める報告徴求命令を出していた。

同行や証券２社は社内処分や再発防止策を盛り込んだ業務改善計画書をきょう、金融庁に提出した。モルガンＭＵＦＧの広報担当者は、具体的な社内処分の内容についてコメントを控えた。グループとしての再発防止策などを求められていたＭＵＦＧも報告書を提出した。