名門フェラーリ復活だ! でもチーム代表には言わないで……「自分たちが好調だと思うなら、死んでいるのも同然」とバスール冷静
ここ2年、他を圧倒し続けてきたレッドブルに対して、今季のフェラーリはかなり接近している。しかしチーム代表のフレデリック・バスールは冷静。束の間の栄光に浸っている場合ではないと語った。 【動画】オープニングラップに衝撃の大クラッシュ発生! ペレスのマシンは見るも無惨な姿に|F1モナコGP 今シーズンは開幕から8戦を消化。開幕当初こそレッドブルが1-2フィニッシュを続けて今季も圧勝かと思われたが、フェラーリがオーストラリアGPとモナコGPで優勝し、マイアミGPではマクラーレンが優勝……レッドブル、フェラーリ、マクラーレンの三つ巴という状況になりつつある。その勢力図はサーキットの特性やチームとしての仕上がりに左右される部分が大きく、ここ数戦はレースごとに優勝最有力候補が入れ替わる、そんな状況だ。 スペインGPを開催するカタルニア・サーキットのようなハイダウンフォースが求められる特性のコースでは、レッドブルが依然として有利と見られている。 しかしモナコの狭い市街地サーキットは特異な存在でがあるものの、レッドブルが特に苦戦。フェラーリやマクラーレンに全く歯が立たなかった。つまり、RB20が100%の力を発揮できない低速レイアウトやバンプや縁石が多いサーキットでは、レッドブルが軽々と優勝をさらう余裕はもはやないとも言える。 ドライバーズランキングではフェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンまで31ポイント差に迫り、コンストラクターズランキングではフェラーリがレッドブルに24ポイント差まで接近。ティフォシとイタリアメディアは活気づき、バスール代表はフェラーリの救世主として称賛を受けている。 ただ当の本人は、フェラーリ復活という話題を聞きたくないようだ。バスール代表は、今は喝采を浴びて浮足立つ時ではなく、むしろ攻め時だと冷静だ。イタリア・マラネロのファクトリーでの改革は、スクーデリア・フェラーリのあらゆる部門をより効率化するため、バスール代表は計画通り続けるだろう。 バスール代表はmotorsport.comイタリア版を含むメディアに対して次のように語った。 「調子が良いと思い始めたら、もう死んでいるのと同然だ」 「つまり同じアプローチを続け、部門ごと、ドライバーもピットウォールも何もかも、全ての領域で継続的な改善が必要だということだ」 「良い仕事をしていても、次の週にはもっと良い仕事をしなければならない。自分たちのやっていることが良いと確信し始めたら、それは終わりの始まりだ。あらゆる分野で、我々は少しずつ限界に挑戦する必要がある」