私服登校・パーカーも? 今どき「制服事情」時代とともに変化〈宮城〉
仙台放送
「学校制服」の話題です。「制服」は、みればどこの学校か分かる「象徴」のようなものでしたが、時代とともに価値観やデザインも変わり多様化しています。今どきの制服事情を探りました。 宮城県大河原町の大河原商業高校、来年3月に閉校するこの高校で102年の歴史の中で初めての取り組みが行われました。教室をのぞくと「制服」の生徒の中に「私服」の生徒。この日は初めて「私服」での登校が認められた日でした。 大河原商業高校 玉手麻美先生 「制服は学校そのものを表すものの一つ。私服を着て登校する機会を作り、制服の在り方を考えてみようというのが背景にある」 「はにわルック」をやめよう!の張り紙。スカートの下にジャージを履く姿が埴輪に似ているため名付けられた格好で、最近、こうした制服の着こなしの乱れがあるといいます。 「閉校が近いからこそ、今一度、制服の正しい着こなしを意識してほしい」 私服登校にはそんな願いが込められていました。 大河原商業高校の生徒 「私服は個性も出るし、進学など将来のためにもなる。私服だと足出さなくていい、暖かさ調整できるから。はにわルックはもうやりません」 私服登校の割合は2割ほどでしたが、新たに気づいた制服の良さもあったようです。 大河原商業高校の生徒 「同じものを連続で着るとイメージ良くないので、制服には毎日着られる良さがある」 百貨店の学生服売り場は中学校の制服の採寸時期とあって多くの制服が並んでいます。制服は時代ごとの価値観を色濃く反映し、変化してきたといいます。 仙台三越学生服担当 本郷亜由美さん 「学校ごとの歴史、制服をみれば、学校がわかるようなデザインにこだわっていた印象だったが、ここ数年は機能性やジェンダーなどを重要視する学校が増えてきた印象」 制服に求める「多様性」。それを象徴するかのように2年ほど前から導入する学校がふえてきた制服がこちらです。 仙台三越学生服担当 本郷亜由美さん 「明らかに見れば女子、男子ってわかるものよりか、どちらでも着れるもの、女子生徒ならばブレザーでスカート、スラックスを選択できるようになっている」 さらに、近年、導入が増え始めたのが「男女兼用ブレザー」です。 記者リポート 「こちらのブレザーですが、このボタンが取り外せるようになっていて、右と左で変えられるようになっています。」 このブレザーなら前合わせが右にも左にも変更でき、利き手による不便さや性別の違いを気にせずに着用できます。 女子生徒 「パーカー制服。デザインがかわいいので選んだ」 仙台市青葉区の仙台大明成高校では全国的に導入する学校が増え始めている「パーカー制服」を県内でいち早く3年前に導入しました。生徒のおよそ2割が着用しているということです。 明成高校はパーカーのほかにもセーターやベスト、女子生徒のスラックスなどもあり、基本のブレザーのスタイルに合わせると様々な着こなしが可能になっています。 仙台大学附属明成高校 今埜信弘先生 「伝統的な制服に、オリジナルを加えた数多くのオプションをつけて、幅広く生徒の個性にあった制服をつくっていくのが大切」 学校の歴史とともに歩んできた「制服」は、時代性を敏感に取り入れて変化し続けています。
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