「奇跡のヒラマサ」悠々 のとじま水族館 水槽で唯一生き残り
のとじま臨海公園水族館(七尾市)の水槽「のと海遊(かいゆう)回廊」で、能登半島地震から生き延びた「奇跡のヒラマサ」1匹が来館者の関心を集めている。7月20日の一部開業に合わせて「仲間入り」した淡水魚の中で活発に動き回り、水族館職員は復興へ歩み続ける能登に重ね合わせている。 のとじま水族館は元日の地震でボイラーや循環装置などが損傷した。水槽に大きな被害はなかったが、水温や水質が維持できず、のと海遊回廊の回遊魚約30種800匹も犠牲になった。 体長約80センチのヒラマサは水槽内の水質悪化にも耐え、他の水槽に移されて生き残った。水族館再開に合わせて展示されたカンパチやイサキなどは慣れない様子で泳ぐ一方、このヒラマサだけが悠々と動き回り、ひときわ目立っている。 営業再開後、水族館には家族連れらが多く訪れ、担当者は「地震後の過酷な環境を乗り越えた生き物を探してほしい」と話した。