被災地の工場に影響 道路寸断や停電などで点検に時間、必要部材の供給が滞るケースも
能登半島地震から10日目。被災地の工場では、道路の寸断や停電、断水などで点検に時間がかかったり、必要な部材の供給が滞ったりするケースも出ています。 東芝は、石川県能美市にあるパワー半導体の生産工場が被災しました。調査の結果、半導体の製造に欠かせない材料の一つ「石英」の破損が確認され、修理や交換を進めているものの、必要数の確保に時間がかかる可能性があるということです。9日から生産を一部再開していますが、完全復旧の見通しは立っていません。 ジャパンディスプレイは、車載向けの液晶パネルなどを生産する石川県川北町の工場の稼働を停止しています。配管の損傷や漏水などの補修は終わりましたが、道路の寸断などにより、クリーンルームの温湿度調整に必要な重油などの燃料を安定的に確保することが難しく、再開のメドは立っていません。今月内には再開したいとしています。 また、村田製作所では、石川、富山、福井にある13工場のうち、4工場の再開時期が未定となっています。工場設備のみならず、断水や停電など、周辺インフラの問題もあるため、再開時期の見通しが立たないということです。稼働停止が長引く場合は、他工場での代替も検討するとしています。 繊維を扱う東レは、北陸地方にグループ会社を含め9つの拠点があり、うち本社直轄の2拠点は9日から順次、稼働していますが、グループ会社の7拠点については現在、安全点検などを行っていて、再開時期は未定だということです。