アントニオ猪木さん「超猪木展」、手帳に書き残していた「闘魂語録」初公開「道は待つことではなく歩くことによって出来る」…20日から京王百貨店新宿店
2022年10月1日に亡くなった国民的プロレスラーのアントニオ猪木さん(享年79)の肖像権などを管理する「猪木元気工場」(IGF)は20日から26日まで京王百貨店新宿店7階大催事場で『超・燃える闘魂 アントニオ猪木展』(報知新聞社後援)を開催する。 猪木さんの功績をたたえる「アントニオ猪木展」は昨年8月に京王百貨店新宿店で初開催。以後、大阪、横浜、福岡で開催。今回の「超猪木展」はこれまでを超える規模スペース、展示品数、特別企画で実施する。 閉幕日の6月26日は1976年に日本武道館で猪木さんがムハマド・アリと「格闘技世界一決定戦」を闘った記念日となる展覧会。目玉企画は、猪木さんにゆかりの選手たちの貴重な品々を展示。遺族、関係者の協力の下、旭日双光章を受章したタイガー・ジェット・シンのガウンに愛用のサーベル。猪木さんと“日本人大物対決”で激闘を繰り広げた、ストロング小林さんのガウン。“人間山脈“アンドレ・ザ・ジャイアントさんのシューズ。“超人”ハルク・ホーガンの『一番』Tシャツ、“アメリカンドリーム”ダスティ・ローデスのガウンも展示する。さらに、今回特別にフリーアナウンサーで猪木さんの語り部でもある古舘伊知郎氏が所蔵する“実力世界一”ベルトを展示する。 また、新橋にあった猪木さんが2007年からおよそ9年間、社長を務めていたIGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)時代の社長室を再現。実際に使用していた机や椅子、また、そこで書いていた直筆の書やサインを展示。本人が身に着けていた愛用品や、スーツや各種・各色のストール。移動の際に使用していたキャリーバッグやコシティなども公開。また、生前、最後のテレビ出演となった日本テレビ系「24時間テレビ」で着用した黄色のTシャツも展示する。 「超猪木展」をプロデュースするIGFの宇田川強取締役がスポーツ報知の取材に応じ、展覧会で公開する猪木さんがスケジュール帳に記していた「語録」を公開した。 手帳には、マハトマ・ガンジー、ナポレオン・ボナパルト、哲学者セネカらの名言を書き残し、さらに 「道は待つことではなく歩くことによって出来る」 「イノキが笑えば世界が笑う イノキが吠えればハモンドオルガン」 「悪口を言えば言うほど価値が下がる。他人は見えても自分は見えず」 「俺は幸せ者 人様がいつも新しテーマをくれる」 「笑顔をおしむ者はどんなお金があろうとも心のびんぼう人」 などの猪木さんが思考した様々な語録がつづられている。 手帳を公開した宇田川氏はIGF社長時代に広報を担当しており「海外へ行かれる時は私が猪木さんを成田空港まで送っていたんですが、飛行機に乗る前に必ず本屋に立ち寄ってそこで、小説、哲学書などいろんなジャンルの本をお買いになられて、いろんな言葉を書いていらっしゃいました」と回想した。 さらに移動中は読書、新聞を読むことが日課で社長室でも一人になると「様々な言葉を手帳や紙に書いていらっしゃいました」と思いをはせ目を潤ませていた。 リング上では常に激しく戦い、「元気があれば何でもできる」など類いまれな「闘魂メッセージ」を送っていた猪木さん。その根底には様々な書籍から「哲学」を吸収していた「静」の姿があった。 今回の「超猪木展」は、闘う哲学者「アントニオ猪木」にも触れることができる貴重な機会になる。 (福留 崇広)
報知新聞社