不死鳥のごとく復活...起業家精神をもつ人が、決して人生で「失敗しない」納得の論理
失敗しても...
別のケースでは、どちらかというと優等生タイプでおとなしい女性Aさんのアイデアで起業が始まったのですが、どうにもおとなしい。すると、いわゆる陽キャ丸出しの別の学生J君がコーファウンダー(共同創業者)として参加し、ビジネスを回し始めました。 一見、うまくいっているように見えたのですが、二人の意識の違い、ビジネスに対する姿勢の違いが目立ち始めて、分裂してしまいました。 Aさんは別のパートナーC君とまったく違うビジネスを始めます。 一方J君のほうは、いまは世界を巡るバックパッカーになっています。行動力が優先された感じです。それでも、事業をやるわけではないのですが、SNSなどで自己発信をして、いわばセルフプロデュースを熱心に行って、その筋では有名人になっています。 この二人は「失敗してもこうなるのか!」と驚いたパターンです。 他にも家族総出でお金を出して起業した教え子M君もいました。私も協力して資金調達に尽力したのですが、なかなかうまくいかず、頓挫してしまいました。すると家族ぐるみだったこともあり、もうぐちゃぐちゃの状況に陥ってしまいます。 そのとき私がした手助けは、彼はイギリス国籍だったのでイギリスの倒産法に照らし合わせていかに被害を小さくするかというアドバイジング。私にとってもつらく、切ない体験でした。 いくらうまくいきそうだと思ってもうまくいかないときはある。救いたくても救えないときだってある。そういう覚悟ができたエピソードでした。 付け加えると、彼はいま、皆が入社を夢見るGAFAMの一社で活躍しています。きっとまたチャレンジすることでしょう。M君はそういう人物です。
フェニックスたれ
うまく行かなかった話は景気が悪くなるのであまりしたくはなかったのですが、必ずしも成功するケースばかりではないということ、それに、もう一つお伝えしたかったことがあって、ご紹介することにしました。 それは、「彼らは失敗なんてしていない」ということです。だって、世界的なコンサル会社に入社したり、別の事業を起こしたり、GAFAMで活躍したり。あんな逆境から、そんな新天地に至れるのか? というところにいると報告してくるのです。 いえ、逆ですね。偶然ではなく必然。失敗があったからこそ、学びや自信を身につけることで、「そういう会社で」飛躍できるということです。 そのバイタリティ、いえ、底力には脱帽せざるを得ません。彼らだって、失敗したとは思っていないでしょう。 彼らはフェニックスなのです。 『経営で成功したいなら「努力はするな」...日本人が大好きな「苦労話」「スポ根」に隠された「罠」』へ続く
山川 恭弘