中尾隆聖ら声優26人『NOMORE 無断生成AI』訴える 「声は商売道具で、人生そのもの」
中尾隆聖さん、山寺宏一さん、梶裕貴さんら声優26人が、権利者に無断で生成されるAI 音声/映像に反対する有志の会として『NOMORE 無断生成AI』を掛け声とした啓発動画を15日、公開しました。 動画では、中尾さんが「私の声が勝手に売られていたんです。驚きました。私たちの声は商売道具で、人生そのものです。無断で生成AIに使われている私たち声優の気持ちを聞いてください」と呼びかけた後、有志の会の声優陣が声をそろえ「NOMORE 無断生成AI」と訴えかけています。 有志の会には15日現在、池水通洋さん、上田燿司さん、甲斐田裕子さん、梶裕貴さん、片岡富枝さん、かないみかさん、くじらさん、阪口周平さん、坂本千夏さん、咲野俊介さん、佐々木優子さん、島田敏さん、嶋村侑さん、新垣樽助さん、関俊彦さん、竹内良太さん、東地宏樹さん、中尾隆聖さん、中田譲治さん、浪川大輔さん、朴璐美さん、深見梨加さん、福山潤さん、宝亀克寿さん、宮本充さん、山寺宏一さんが名前を連ねています。 今後、動画は週に一度のペースで4~5人をまとめたものと、1人ずつのショート動画も公開される予定ということです。
■『NOMORE無断生成AI』声優有志の会の想い【全文】
私たちがやった覚えのない朗読や歌、そして声そのものが、ネット上に公開され、時に販売されています。 私たちの声は商売道具であり、人生そのものであり、共に成長してきた大切な自分自身の一部です。「この声をもっと聞きたい」と思ったファンがやってくれたことだとしても、無断で使われるのは、気持ちの良いものではありません。 新しい技術は、これから私たち人間に大きな恩恵を与えてくれるでしょう。でも同時に、お互いの気持ちや、未来の文化のあり方まで視野を広げて、議論を重ね、みんなで技術の使い方を考えていきたい。そのきっかけとなるように、この動画を作りました。 傷つけ合う言動の応酬ではなく、平和的な認識のすり合わせのための議論を有識者も交えて行い、文化的なルール作りをしていきましょう。 10 年後20 年後もずっと、良い作品を生み出す土壌を枯れさせないために。
■有志の会の定義する『無断生成AI』とは
有志の会は『無断生成AI』を“実演家、著作権者の許諾なく、無断で追加学習、生成、公開されたAI 生成物のこと”と定義し、「2024年10月現在の法律では『情報解析のための学習』『非享受目的の学習』は著作権法の範囲外とされていますが、追加学習は議論が分かれます」とし、「誰の声か、誰の表現かということがわかるAI 生成物は、著作権だけでなく人格権にも抵触する可能性があります。そして、悲しみ傷つく人がいます。このことを多くの人に知ってもらいたいと思っています」と表明しています。