福島県白河市・小峰城跡「名物案内人」の祖父直伝 中学生のガイドがデビュー
福島県白河市の白河二中1年の佐藤琉之介さん(13)が観光ガイドとしてデビューした。市内で長年ガイドを務めていた祖父善昭さん(84)の手ほどきを受けながら、国史跡・小峰城跡を案内している。おじいちゃんのような名物ガイドに―。「地元の歴史や魅力を再確認し、多くの人に発信したい」と意気込む。 善昭さんは教員を定年退職した後、市内を訪れた人にボランティアで観光案内を行う「ツーリズムガイド白河」に加わった。平日や休日を問わず、小峰城に足しげく通った。豊富な知識と分かりやすい説明が人気を博し、観光客からは「名物ガイド」としてリピーターが多かった。 しかし高齢を理由に4月に引退した。琉之介さんも幼い頃から手を引かれ、よく遊びに出かけていた。祖父の姿を間近に見ていたこともあり、「おじいちゃんの後を継いでガイドをやってみたい」と地域の歴史を学んだ。 勉強と部活動の忙しい合間を縫い、7月にデビューを飾った。同世代の団体客を小峰城を案内。石垣など細かい知識は善昭さんがフォローした。案内後は「分かりやすかった」「また白河に来たい」などと好評を得た。善昭さんも「堂々とした立ち振る舞いで、初めてにしては上出来だった」と目を細めた。
琉之介さんはやりがいを感じた一方、「人を案内するためには自分が物知りにならないと」と表情を引き締める。秋の観光シーズンが目前に控える。「観光客から指名される案内役を目指して精進したい」と力強く意気込んだ。