避難所で下着干す場所は?性被害防ぐには? 女性の視点生かした運営、ボランティア経験者指南
女性の視点を生かした災害支援を考える催しが20日、長野市内であった。能登半島地震を受け、市内で「コミュニティつくりを学ぶ会」を主宰する平山沙織子さん(47)が企画、7人が参加し理解を深めた。2019年の台風19号災害でボランティアをした成沢由美子さん(48)=長野市=らが当時の経験などを報告。避難所では性被害が起こるリスクもあり、災害支援関係者には男性が多いため、平時から女性の目を取り入れた準備が必要と提言した。 【写真】息の長い支援へ、拠点となるトレーラーハウス
成沢さんは、介護と美容の基礎を身に付けた「ケアセラピスト」などの養成スクールを運営。災害の発生3日後から市内の避難所に入り、高齢者を見守り、被災者の身体をマッサージなどでケアした。 成沢さんは下着を干す場所や、性被害を防ぐために女性を一人でトイレに行かせないといったリスク管理が欠かせない―と指摘。顔や髪の毛のケアが難しいなど普段とは違う避難所の環境がストレスを招くとし、「女性ならではの身体の不調にもつながってしまうことがある」と話した。 県NPOセンター(長野市)の阿部今日子事務局長(60)は「災害支援に携わる人は圧倒的に男性が多く、生理用品や女性の下着などが必要でもなかなか言い出せない」と報告。母親グループが避難所で必要な物を聞き取り、ネット通販「アマゾン」を活用して物品を募った事例を紹介しつつ、「避難所運営に女性を入れ、日頃から何が必要か考えることが大切」とした。