検見川GK1菅原陸登(3年)

　後半開始直後に足をつりながら、検見川の守護神は最後まで日体大柏に同点ゴールを許さなかった。 【フォトギャラリー】日体大柏vs検見川 　5月3日、ゼットエーオリプリスタジアムで開催された令和6年度関東高校サッカー大会千葉予選の準決勝第2試合で、検見川が2-1で格上の日体大柏を下し関東大会初出場を決めた。 　前半に2ゴールを叩き込み、日体大柏相手に1点リードで前半を終えた検見川。しかし、前半だけで10本のゴールキックを蹴り、DFが間一髪で戻したバックパスを大きく前に蹴り出し、相手のシュートやクロスに飛びつき対応したGK1菅原陸登(3年)は後半開始直後に足をつってしまう。 　それでも「みんなの声もあったので続けられた」とDF陣の声や応援団の後押しを受けピッチに立ち続けた守護神。プレーが切れる度に足を伸ばし日体大柏の猛攻に備えた。 　そんな菅原を信頼し、DF陣はタッチラインに逃れるのではなく、迷いなくバックパスを選択。少しでもボールを相手陣地に戻すことが、相手の攻撃時間を削ることになった。 　「相手は格上。失点しても気持ちを落とさずに得点を狙おうと話して試合に入りました。でも最初に2点を取れたので、あとは自分たちの持ち前の守備力を生かして戦えた」と試合後に振り返った菅原。 　「絶対に声を切らさないと、試合前からチームで決めていた。どんなに苦しい時間でも、みんな苦しいから自分だけサボれない。その空気を作ることを意識していました」 　一瞬でも気を抜いたらやられる。そんなシーンの連続だったが、後半を無失点で切り抜け、そして迎えた歓喜の瞬間。 　「ひとつ検見川の歴史を作れたのが嬉しい。それが自分たちの代ってことも凄くうれしいです。来てくれた人たちも、まさかここで勝てるとは思っていなかったと思うので、いい意味でそれをひっくり返せた」 　そう喜びを表現した守護神は「他県を勝ち抜いてきた強いチームとやれるので楽しみですし、自分たちのサッカーで戦って、楽しみながら勝つつもりでプレーしたいと思います」と関東大会を見据えた。 　準決勝を勝ち抜いた検見川は6日に習志野と決勝を戦い、5月25日から千葉県内で行われる関東大会に出場する。 　(文・写真＝会田健司)