歌手からプロデューサーまで…韓国の音楽家2645人が時局宣言を発表「尹大統領は人権を無視した」
音楽家2645人が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾を促す時局宣言を発表した。史上最大規模である。 12月10日に始まった音楽家宣言は、SNSを通じて一気に広がった。憲法秩序を崩壊させた尹大統領と、それに協力した与党・国民の力の政治家たちが音楽家を団結させた。経歴40年以上のベテラン音楽家から実用音楽科への進学を準備する青少年まで、年齢と経歴が異なる音楽家たちが音楽家宣言に参加した。 ロックや民謡、エレクトロニック、ジャズ、フォーク、ヒップホップなど大衆音楽を創作し、演奏する人々だけではなく、韓国の伝統音楽や古典音楽、クラシックジャンルの音楽家たちも参加。首都圏から大邱(テグ)、釜山(プサン)、済州(チェジュ)、光州(クァンジュ)など全国の音楽家たちの連名で発表された。 今回の音楽家宣言の特徴は、参加した音楽家の数だけではない。歌手、演奏者だけでなく、会場の運営に携わる人々やプロデューサー、マネージャー、音響エンジニア、製作者をはじめとする音楽産業の従事者も多数参加し、名実共に音楽家宣言を完成させた。2009年「貪欲と統制の時代に逆らう韓国の音楽家宣言」と題した音楽家宣言には600人ほどが参加し、2016年の「民主共和国復活のための音楽家時局宣言」には2,350人ほどが参加したが、今回はそれより多い音楽家がジャンルや地域、世代、職種を問わず、参加した。音楽家たちが着実に組織として声明を発表している証拠と言える。 音楽家宣言に参加した音楽家たちは「憲法に反する非常戒厳を計画し、宣布する大統領はこれ以上民主共和国の大統領ではない」と宣言しただけでなく、「反乱の張本人を援護する政治は、歴史のゴミ箱に捨てなければならない」と警告した。「独裁は繰り返してはならない。反乱勢力にアンコールはない」という音楽家らしい警告を発した。 音楽家宣言は、単に尹大統領の戒厳令に対するものではない。「尹大統領は若者の生活を守らず、戦争を刺激した。嘘をついて人権を無視した。生かすべき価値を無視し、社会を廃墟にしてしまった」と記された文章からは、長い間我慢してきた切実な心情がにじみ出ている。「嘆きの時間はもう終わらせなければならない。誰もむやみに死んではならない。みんなの明日は守られるべきだ。人生は音楽より美しくならなければならない」というのが、音楽家たちの一途な願いだ。その願いが音楽家宣言の中に込められている。 これまで市民の夢や希望、愛と懐かしさを込めて演奏し、歌ってきた音楽家たちは、宣言を発表したことにとどまらず、今日の歴史を一緒に記録し、市民の勇気を証明することを約束した。 「悪は真実の旋律を呼ぶ。平和のリズムを分かち合う。共生のサウンドを作る」という音楽家宣言の内容のように、今広場ではK-POPと民謡が共存し、広場にバイブを吹き込んでいる。音楽家宣言に参加した音楽家たちは、今後、広場で開かれる集会だけでなく、全芸術ジャンルや芸術家団体と連帯して活動する可能性もあるという。
ファン・ヘジン