毎年全国で25人ほど犠牲…ため池転落時の「救命ネット」を開発 前田工繊、落ちた人が指掛けやすく
前田工繊(本社福井県坂井市、前田尚宏社長)は、ため池ののり面に張る救命ネットを開発し、このほど販売を始めた。芯材に硬い繊維を使うことで、転落した際にネットをつかみやすくしたのが特徴。 ネットの芯材には、釣り糸やブラシなどに使われる高強度の繊維「モノフィラメント」を採用。ネットの網目が開いたまま保持されることや、斜面とネットの間に隙間ができやすいことから、転落した人がネットに指を掛けやすくなっているという。 また、落石対策などで使用される網の技術を盛り込み、強度や耐久性にも優れているとしている。複合ポリエステル製で幅3メートル、長さは自由に設定できる。 農林水産省によると、毎年全国で25人程度がため池に転落し死亡している。自治体や管理者に対し安全対策を講じるよう呼びかけている。
福井新聞社