福島県・二ツ箭山で冬の晴れた日に高度感あふれる岩稜歩きを楽しむ
二つの矢を立てたように見えることから名づけられたという福島県いわき市・二ツ箭(ふたつや)山。標高710mながら、男体山と女体山という二つの顕著な岩峰がそびえ立っている。冬でも晴れれば暖かい日差しの下でスリルと変化にあふれた岩稜歩きを楽しめる。
案内板のある二ツ箭山入口駐車場よりスタート。車道から林道を経て、二ツ箭山登山口の標識があるあたりから次第に山道となります。 御神体の滝を経て〆張り場に至ると、沢コースと尾根コースの分岐です。左手の尾根コースに入るとすぐに急登となり、岩場が現われます。 ところどころ昨日降ったと思われる雪が残っていました。途中からは、岩場コースと一般コースに分かれています。岩場コースを進んで40mある鎖場を登り切ると女体山と男体山の鞍部に出ます。
正面に見えている鎖場が女体山で、男体山は左手に少し回り込んだところに太いロープと鎖が備えられた鎖場があります。男体山の鎖場の方が垂直で高度感もあり、手強い岩稜登りを強いられます。自信がなければ、男体山はパスしてもよいでしょう。 女体山の鎖場は比較的傾斜も緩やかで手がかりも豊富です。女体山山頂のすぐ下にはベンチがあって休憩できました。方位盤や二屋神社と書かれた小さな祠があり、眼下には阿武隈山地の山々が広がる雄大な景色を堪能できます。
女体山山頂からは岩稜が続き、巨岩が重なった抱岩をくぐります。さらに踏み跡をたどると二ツ箭山の三角点への矢印があり、そこからすぐに二ツ箭山山頂(三角点)に至ります。ここは木々に囲まれて展望はありません。帰路は月山を経て急な下りが続く尾根筋をたどり、駐車場への道へ戻ります。
------------------------- 奥谷 晶 30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。 -------------------------
写真・文=奥谷 晶