呂布カルマ、「恋山形駅」騒動に「炎上した覚えはない。ヤツらは弱者を自称し、それを盾にしているだけ」
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『「恋山形駅」騒動』について語った。 * * * ★今週のひと言「Xで炎上したといわれる『恋山形駅』騒動について」 そもそも"炎上"といわれること自体が不本意というか、個人的にはただ話題になっているだけで炎上した覚えはない。 これよりも前から俺はちょくちょく炎上するといわれがちだったが、やじ馬以外の誰かに正式に怒られたこともなければ、謝罪させられたこともない。もちろん、すべての投稿はそのまま残っている。 今までの炎上といわれる騒ぎで、俺自身が実害を被ったり損をしたためしがないのだ。ポジティブな話題以外で注目が集まるたび、ひとくくりに炎上扱いするのはいいかげんやめにしませんか。 で、今回の騒動の顛末(てんまつ)はこうだ。 9月、鳥取県青谷町(あおやちょう)で行なわれた地域密着の音楽フェス「青谷音楽祭」に出演した翌日のことだ。愛媛へ移動する途中、電車の信号待ちで件(くだん)の駅に止まった。 ふと窓の外を見ると、全体がドギツいピンクで塗り潰され、所々にハートがあしらわれ、極めつきに2次元の美少女キャラクターがペイントされている無人駅があった。いわゆるイタ車の駅版かと思ったが、そんなもん見つけてしまったら退屈な移動中、黙っていられるわけもない。 俺はその駅の写真と共に「何だこの駅...気持ちわりぃ...」とXにポスト。 すると、そこに写り込んだ2次元キャラの悪口を言われたと思い込んだアニメキャラアイコンのキモータたちから大量のリプライ。 ぱっと見で目に入る違和感は、どう考えても真っピンクの駅舎だと思うが、彼らがいち早く反応してきたのは自らの2次元美少女趣味に後ろめたさがあるからだろう。 「弱者を叩くな!」という彼らの言い分に対して、「弱者だと自覚しているなら絡んでこずにコソコソしていろ」とポストすると、今度は「弱者」というワードに過剰反応したポリコレ軍団たちが大騒ぎを始めた。 五体満足で仕事もしているキモータたちを俺は弱者だと認めない。ヤツらは弱者を自称し、それを盾にしているだけだ。そして文脈の読めないポリコレ軍団のヒステリーにも耳を貸してやる必要はない。 俺は自分たちで種をまいて勝手に燃え上がっている、自称弱者たちの炎で暖をとらせてもらっていただけだ。 その中でも、過疎に苦しむ地方が知恵を絞ってなんとか人を呼び込もうと努力している施策に対してその言い草はなんだ、という指摘もあった。 これは一理ある。一理はあるが、だからなんだというのだ。 過程を評価して結果を見ず、というものの典型的なやつだ。結果的に一見して不快感を与えるようなデキになってしまってる以上、なんと言われても仕方がないだろう。 もっと言うと、あれで本当に知恵を絞ったのかさえ疑わしい。 呂布カルマ憎しか、話題に乗っかりたいだけか、あの駅をホメる流れもあるが。冷静になってほしい。好みの問題、という次元ですらない。あれを見て「気持ち悪い」という感想が出ないのは、美的感覚の欠如としか言いようがないのだ。 しかし、今回の騒ぎに対して鳥取県のリアクションは良かったと思う。逆手に取って翌週にはお客さんを呼び込むキャンペーンなどを開始した。そのクイックさや、柔軟さにはなんの文句もない。 俺は純粋に駅のデザインに対する評価をしただけで、恋山形駅(智頭[ちず]急行)自体が憎いわけではない。 評価と誹謗(ひぼう)中傷の区別もつかなくなってしまい、有名人が意見することさえ許さないという流れには、決して屈してはいけない。 撮影/田中智久