「止まらない。家族に言えなかった」ギャンブル等依存症のメカニズムと回復支援の現場
当事者には自分の状況や状態を言葉にするのが苦手な人も少なくありません。そのためまずはグループミーティングで自身を見つめ直す機会を設けています。 長崎ダルク 中野朋子さん: 「やったーって思った瞬間を聞いてみましょうか」 当事者:「釣り。釣りの才能があった」 中野さん:「釣りね。大きい魚が釣れた」 当事者:「タクシー会社に就職するんですけど、どうしても二種免許がいるじゃないですか。一発で受かったときは自信がつきました」 中野さん:「二種免許の話もそうだけど(自分が)やろうと決めてそれをやり遂げると自信がつくそうなんです」 中川さん: 「グループミーティングとか当事者研究に参加していくうちに『それだけじゃない、もっと深い問題が自分の中にあったんだ』と(気づく)。その問題は果たして《自分の中で解決できるもの》なのか、それともその問題を受け入れて《生き方というか捉え方を変えていく必要があるのか》っていうことを自分の中で精査していくことが、ここで費やす時間にはもっとも必要」 入居者の中には《仲間との活動》を通して気持ちに変化が現れた人もいます。 当事者: 「仲間がいたり、自然にだんだんそうやって過ごしていく中で、周りにも社会の人でも分かり合える人がたくさんいるんだって思うことが多くなってきて。最近自分だけが一人じゃないんだなって思うようになってきましたね」 「ここにいたら色んなことが起こる。結構面白いんですよ。結果、ギャンブルがと止まってて」 まずは当事者本人が一人で悩むのではなく勇気を出して誰かに相談することがギャンブル等依存症から抜け出すための第一歩。合わせて周りの人が本人の意思の問題ではなく病気だと正しく理解することが回復への近道と言えそうです。 厚生労働省によりますと、ギャンブル等依存症の人に対して ・借金を肩代わりする ・「やめられないなんて意思が弱い人なんだ」などと言ったりすると、依存症の回復を遅らせたり悪化させたりするおそれがあるということです。
県ではギャンブル等依存症に悩んでいる場合は自分だけで解決しようとせず、支援センターや回復施設、県内の各保健所などに相談するよう呼びかけています。 ■相談電話番号 長崎県長崎こども・女性・障害者支援センター 精神保健福祉課 TEL 095-846-5115 長崎ダルク(回復施設グラフ・ながさき) TEL 095-800-2923
長崎放送