「止まらない。家族に言えなかった」ギャンブル等依存症のメカニズムと回復支援の現場
■お金を借りるのは悪いことだと思うのに止まらない 依存症の疑いがある人のおもな特徴です。 ●ギャンブルのことを考えて仕事などが手につかなくなる ●負けた分は別の日に取り返そうとする ●のめり込みを隠すためにウソをつく 実際に当事者に話を聞くと「心当たりがある」という人も── 「仕事をしていてもギャンブル、ギャンブルがしたいという気持ちが強く(会社に)『辞めます』という連絡も入れずにそのままギャンブルに走りました」 「負けたときは次の日に行って取り戻さなければならないかなという気持ちで行っていました」 ギャンブルのために金を借りてしまう自分を責め続けた男性は── 男性:「人にお金を借りるのも悪いことだって認識はあってもやっぱりそれが止まらない。自分が何か情けないというかダメなんじゃないかって思って。その苦しさが僕はもう死ぬしかないって思ってたんで、ただ家族とかやっぱりそういう人たちの顔が思い浮かぶんで死ねなくて。だから余計泣くしかなかったです。もうとにかく泣いて泣いて泣くしかなくて」 記者:「それでもやっぱり家族とかには言えなかった?」 男性:「言えなかった」 一度、ギャンブル等依存症になってしまうと自力での回復は難しく、周りの人や関係機関の協力が必要となってきます。 ■ギャンブル以外の楽しみを見つけ 人と喜びを共有する 薬物やアルコール、ギャンブルなどの依存問題を抱える人の支援をしているNPO法人 長崎ダルクの回復施設「グラフ・ながさき」では、ギャンブル等依存症の当事者が共同生活を送りながら回復に向けたプログラムに参加しています。 長崎ダルク法人代表理事 中川賀雅さん: 「自分にとって今日一日ギャンブルをやらないで良い生活を送るためにはどういう生活が必要か、何を大事に思うのかっていうことを共同生活やプログラムをやりながらご自身が発見していくっていうのがすごく大事なことだと思いますね」 長崎ダルクでは回復プログラムの一環で、バーベキューや釣り、誕生日会などを行っています。みんなで協力し人と喜びを共有することの大切さを感じることで、生活の中でギャンブル以外の楽しみを見つけてもらうのが目的です。